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スマートウォッチの実装技術福田昭のデバイス通信(489) 2024年度版実装技術ロードマップ(9)(2/2 ページ)

「2.2.1.4 ウェアラブルデバイス、ウェアラブル用電源の動向」の後半を紹介する。Appleの「Apple Watch Series 9」、Googleの「Pixel Watch 2」、Samsung Electronicsの「Galaxy Watch 6」を分解し、メイン基板と光電容量脈波センサーの実装状態を観察した。

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電源管理ICとアプリケーションプロセッサをなるべく近づける

 AP周辺の実装形態を「Apple Watch Series 7」と「Apple Watch Series 8」にさかのぼると、両製品はメモリ用BGA底部の空間にAPだけを実装しており、PMICはBGAの隣に少し離れてフリップチップ実装していた。このため、PMICとAPの間に配線が一定以上の長さで存在しており、ループインダクタンス(信号歪みの原因となる)があまり小さくはなかった。「Apple Watch Series 9」ではAPとPMICが近接しているのでプリント基板の配線が短く、ループインダクタンスが小さくなった。

 Samsungの「Galaxy Watch 6」では、FO-PLP(Fan Out-Panel Level Package)にAPとPMICを混載しており、両者の距離がさらに縮まるとともに、接地電位との結合が強まった。ループインダクタンスはさらに小さくなっている。

アプリケーションプロセッサ(AP)周辺の実装形態の変化[クリックで拡大] 出所:「2024年度版 実装技術ロードマップ」、p.34、2024年6月発行
アプリケーションプロセッサ(AP)周辺の実装形態の変化[クリックで拡大] 出所:「2024年度版 実装技術ロードマップ」、p.34、2024年6月発行

 このほかスマートウォッチには、EMIシールド技術が多用されている。超広帯域無線通信(UWB:Ultra Wide Band)、GPS受信、非接触給電などのワイヤレス機能が搭載されているためだ。

(次回に続く)

⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧

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