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東北大学と神戸製鋼所がタッグ、先端半導体で研究所設立:新素材や製造プロセスの開発を推進
東北大学と神戸製鋼所は、先端の半導体素材や製造プロセス技術の開発に向けて、「神戸製鋼所×東北大学先端半導体用素材・プロセス技術共創研究所」を、東北大学青葉山キャンパス内に設置し、2025年6月1日より活動を始める。
共同研究による成果を情報発信、次世代技術者の育成にも注力
東北大学と神戸製鋼所は、先端の半導体素材や製造プロセス技術の開発に向けて、「神戸製鋼所×東北大学 先端半導体用素材・プロセス技術 共創研究所」を、東北大学青葉山キャンパス内に設置し、2025年6月1日より活動を始めると発表した。
新たに設置する共創研究所では、世界のトップレベルにある東北大学の半導体関連技術と、神戸製鋼所が有する素材・プロセス技術をそれぞれ持ち寄る。これにより、半導体向けの新たな素材や製造プロセス技術について、その可能性を追求していく。設置期間は2028年5月31日まで。
具体的には主に3つのテーマに取り組む。1つ目は「半導体領域における素材・プロセス技術に関わる事業機会の探索」である。ここでは「先端ロジックやメモリ、パワー半導体における未来予測マップの作成」と、「素材・プロセスに関わる技術変化点の抽出」に取り組む。
2つ目は、「事業機会の具体化に向けた共同研究の立案」である。ここでは、「素材・プロセスに関わる課題に向けた技術開発と事業機会の起点となるアイデアの具現化」に取り組む。3つ目は、「共同研究を通じた情報発信と人材育成」を挙げた。共創研究所での成果は、学会発表などを通じて情報発信を行うとともに、次世代の技術者育成を推進していく。
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