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有機EL市場、2035年までに2371億米ドル規模へ:日本市場も2035年まで着実に成長
SDKI Analyticsによれば、世界の有機EL(OLED)市場は、2025年見込みの約657億米ドルに対し、2035年までには2371億米ドルを超える見通しだ。
2035年にはアジア太平洋地域の比率が70%に
SDKI Analyticsは2025年12月、世界の有機EL(OLED)市場を調査し、2035年までの予測を発表した。これによると、OLED市場は2025年見込みの約657億米ドルに対し、2035年までには2371億米ドルを超える規模に達する見込みだ。
OLED市場をサイズ別(12インチ超と12インチ未満)にみると、2035年には12インチを超える大型サイズの比率が70%を占める見通し。これに対し12インチ未満の中小型サイズも、スマートウェアラブル機器の普及や自動車のデジタル化によって、需要は高まっているという。
市場を主な地域別にみると、2035年にはアジア太平洋地域が70%を占める見通しだ。日本のOLED市場については、2035年まで着実に成長すると予測した。発光材料を含むポスト5G技術の実現に向けて、経済産業省は1100億円の補助を行うなど、先端の研究開発を支援することで市場拡大を後押しする。
OLEDの性能も、発光素子に注入された電子(電流)に対し、外部に放出される光子(光)の割合を示す外部量子効率(EQE)は8倍向上し、材料寿命は6万倍以上も延びたという。さらに、ユニバーサスディスプレイの青色PHOLEDが商品化されると、OLEDのエネルギー効率は最大で25%も改善される可能性があるという。
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