連載
AIサーバの高性能化に不可欠となった先進パッケージング技術:福田昭のデバイス通信(504) TSMCが解説する最新のパッケージング技術(1)(2/2 ページ)
2025年12月の国際学会IEDMで、TSMCが最新のパッケージング技術について講演した。本シリーズは、その内容の一部を紹介する。
AIを組み込んだサーバが半導体市場の成長を牽引
2020年代後半の半導体市場は、人工知能(AI)という応用分野を得たことで急激に伸びつつある。そのことは、サーバ市場の予測にも現れている。AIを組み込んだサーバ(AI optimized server)は台数当たりの単価が従来のサーバよりもかなり高い。AIを組み込んだサーバの出荷台数が増加すると、サーバへの投資金額が大きく伸びることになる。
市場調査会社のガートナーが2025年9月に発表した予測をChen氏は引用し、2023年〜2029年にはAIを組み込んだサーバへの投資拡大が金額ベースの成長を牽引することを示した。AIを組み込んだサーバ(AIサーバ)に対する投資金額の年平均成長率(CAGR)は44%と恐ろしく高い。
AIを組み込んだサーバ(AI optimized server)と従来サーバの市場推移(2023年〜2029年)。左は金額ベース(10億米ドル)、右は出荷台数ベース(100万台)[クリックで拡大] 出所:TSMC(IEDM 2025のショートコース(番号SC1-5)で公表された講演スライドから)
2023年には金額ベースで、サーバ全体の半分にも満たなかった。それが2029年には、8割近くをAIサーバが占めると予測する。そしてAIサーバの性能を高めるため、先進パッケージング技術は標準的に使われるようになった。シリコンダイの進化だけでは、高性能化の要求には応えられないからだ。
⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
メモリとストレージの動向を示す11個のキーワード(前編)
2025年8月に開催された「FMS」の講演を紹介するシリーズ。今回はメモリとストレージの市場アナリストとして知られるJim Handy氏の講演を前後編でご紹介する。
2026年のHBM市況、カギを握るのは最新世代「HBM4」
2025年8月に開催された「FMS(the Future of Memory and Storage)」の一般講演を紹介するシリーズ。今回はTrendForceのアナリストであるEllie Wang氏の講演を取り上げる。広帯域メモリ(HBM)の生産能力や容量、価格を予測する。
創刊前の20年間(1985年〜2005年)で最も驚いたこと:1985年の「不可能」二題
EE Times Japan 創刊20周年に合わせて、半導体業界を長年見てきたジャーナリストの皆さまや、EE Times Japanで記事を執筆していただいている方からの特別寄稿を掲載しています。今回は、40年以上にわたり半導体技術/電子技術を見守り、フリーの技術ジャーナリストとして活躍されている福田昭氏にご寄稿いただきます。EE Times Japan創刊からさらに20年さかのぼり、1985年の話からスタートします。
キオクシアの年度業績、3年ぶりの黒字転換で過去2番目の営業利益を計上
キオクシアホールディングスの2024会計年度通期(2024年4月〜2025年3月)の決算概要を説明する。
自動車通信システムの国際標準に合わせた周波数割り当ての再編成
今回は、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)の無線通信用周波数帯域の再編成について解説する。
自家用車はレベル3、トラックとタクシーはレベル4の運転自動化を実現
今回はオーナーカー(自家用自動車)とサービスカー(人間あるいは貨物を運ぶ事業に使われる自動車)について、自動運転車両の商品化・商業化状況を説明する。