ニュース
「世界初」フッ素フリーのネガ型ArF液浸レジスト、富士フイルム:AI半導体などの製造プロセス向け
富士フイルムは、AI半導体など先端半導体の製造プロセス向けに、「フッ素フリーのネガ型ArF液浸レジスト」を開発した。「世界初」(同社)となる製品で、既にサンプル出荷を始めていて、顧客先での評価を経て早期販売を目指す。
機能性分子の設計技術や分子設計技術、有機合成技術などを活用
富士フイルムは2026年4月、AI半導体など先端半導体の製造プロセス向けに、「フッ素フリーのネガ型ArF液浸レジスト」を開発したと発表した。「世界初」(同社)となる製品で、既にサンプル出荷を始めていて、顧客先での評価を経て早期販売を目指す。
現在のArF液浸露光向けフォトレジストには、PFAS(ペルフルオロアルキル化合物、ポリフルオロアルキル化合物および、これらの塩類の総称)が用いられている。酸を効率よく反応させたり、レジスト表面に撥水性を持たせたりするために使われるが、環境や生態系への悪影響を考慮し、PFASの使用を規制する動きが進んでいるという。
こうした中で富士フイルムは、これまで安全性の高いNTI現像液を始め、PFASを含まないナノインプリントレジストやPFASフリーのネガ型ArF液浸レジストなどを開発してきた。近年は、PFASだけでなくフッ素結合を持つ有機化合物全般について、フッ素を含む原材料を使用しない新たな材料開発が求められている。
そこで同社は、これまで培ってきた機能性分子の設計技術に加え、分子設計技術や有機合成技術、処方技術、解析技術を活用し、フッ素を含む原材料を用いないネガ型ArF液浸レジストを開発した。これにより、フッ素を含む原材料を用いなくても、ばらつきの少ない微細な回路パターンの形成を可能にした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
カラーフィルター微細化に貢献 富士フイルムのKrF露光対応材料
富士フイルムは2025年12月9日、イメージセンサー用カラーフィルター材料の新製品を発売した。「世界初」(同社)のKrF露光対応品で、銀塩写真の技術を応用して微細化、高感度化を実現したという。
富士フイルムが後工程材料で新ブランド発表 売上高5倍へ
富士フイルムが、半導体製造の後工程向け感光性絶縁膜材料の新ブランド「ZEMATES(ゼマテス)」を発表した。2030年度までに、感光性絶縁膜材料の売上高を5倍以上に成長させるという。
富士フイルム、先端半導体向け材料開発の新棟が稼働開始
富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(FFEM)の静岡工場内に建設していた新棟が竣工し、稼働を始めた。次世代半導体向け新規材料の開発/評価を行う。重点事業と位置付ける半導体材料事業において新規材料の開発を加速するとともに、高品質な製品の安定供給を実現していく。
半導体製造の熱プレスに対応する圧力測定フィルム、富士フイルム
富士フイルムは、半導体や自動車の製造ラインにおける熱プレス工程に向けた圧力測定フィルム「高温用プレスケール100/200」を開発、販売を始めた。耐熱基材の採用などにより、220℃までの高温圧力検査に対応できる。
後工程に拡がるCMPスラリー需要 「世界一」狙う富士フイルムの成長戦略
富士フイルムは2025年9月29日、先端パッケージング向けCMPスラリーの発売を発表。ハイブリッドボンディング向けに最適化したもので、同日の記者発表会で後工程を含むCMPスラリーの成長戦略を紹介した。
富士フイルムが後工程材料に攻勢 「PFASフリー」レジストを発表
富士フイルムは、2030年度における半導体材料事業の売上高を、2024年度の倍となる5000億円に引き上げる。CMPスラリーなど強みを持つ半導体製造前工程の材料に加え、後工程の新規材料開発を加速する。