サンケン電気26年3月期は赤字転落 中国の「自前主義」響く:純損益が98億円に(3/3 ページ)
サンケン電気は2026年5月15日、2026年3月期通期(2025年4月〜2026年3月)の決算を発表した。子会社だったAllegro MicroSystemsが連結対象から外れたことや、中国で白物家電の自国半導体シフトが進んだことなどで減収減益し、純利益は前期の509億円の黒字から、98億円の赤字に転落した。
山形サンケンで希望退職募集 中計目標も下方修正
重要な後発事象として、生産効率の改善を進めてきたという山形サンケンで希望退職者の募集を行うことを発表した。2026年4月1日時点で45歳以上の社員(再雇用者含む)から65名程度を募集する。本件に伴う特別退職金などは約7億円を見込んでいて、今期決算で特別損失として計上する予定だ。
2024年に発表した中期経営計画「24中計」(2025年3月期〜2028年3月期)も、当初は2028年3月期の売上高1000億円以上、営業利益率10%としていたところ、売上高875億円、営業利益率4%以上へと下方修正した。「適性売価獲得、固定費削減、金から銅への材質変更など諸施策を進めることで、損益分岐点の低減を図り、着実に収益性を高めていく。これら環境変化などへの対応のみならず、窒化ガリウム(GaN)搭載新製品の拡販や生産協業による効率化などを通じ、2028年度以降は収益性を伴う売り上げ増を実現する」(髙橋氏)とした。
パワー半導体再編の動きは注視も、参加は検討せず
2026年3月にはローム、東芝、三菱電機らの間で、半導体/パワーデバイス事業の事業統合および経営統合に関する協議開始に向けた基本合意書を締結したことが発表された。3社のパワー半導体の世界シェアを統合すると11.3%と、Infineon Technologiesに次ぐ世界2位の事業体になる見込みだ。
本件についての見解を聞いたところ、髙橋氏は「本件はパワー半導体分野における規模、供給体制強化を目的とした業界再編の一環だと認識している。こうした再編の方向性が市場構造や競争環境に対し、中長期的に影響を及ぼす可能性を注視しつつ、自社の強みを生かしたポジショニングの確立に引き続き取り組みたい」と語った。
また協業の可能性などについては「24中計で掲げる社外との協業推進は、特定の枠組みに依存するのではなく、顧客用途ごとの最適なパートナーシップを柔軟に構築することで、当社の中長期的な企業価値向上を図るものだ。そのため、同事業体への参加を前提とした戦略は検討しておらず、何らかの働きかけをすることはない」(髙橋氏)とした。
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