パワー半導体企業ランキング、日本勢は三菱電機ら5社がトップ20入り:中国勢も急伸、Yole調べ(2/2 ページ)
フランスの市場調査会社Yole Groupは、2025年のパワー半導体メーカー売上高ランキングトップ20を公表した。日本勢は4位の三菱電機を筆頭に、富士電機、東芝、ローム、ルネサス エレクトロニクスの5社がランクインした。中国メーカーも5社がトップ20入りを果たし、存在感を高めている。
変化するパワー半導体業界の競争軸
Yoleパワーエレクトロニクス業界について「長年にわたる急速な市場拡大を経て、現在は統合期に入りつつある。技術革新そのものよりも、市場をリードする製品の投入や顧客獲得、販売力の強化が重視されるようになっている」などと説明している。
長期的には、電動化や再生可能エネルギー、AI/データセンター、産業オートメーションが市場拡大を支える主要な要因になる。システム電圧の高電圧化は進んでいて、xEVは400Vから800Vへ、太陽光発電は1000Vから1500Vへ、EV用DC急速充電器は500Vから1000Vへ移行が進むほか、AIデータセンターでも800Vアーキテクチャへの移行が進展。また、製造では大口径ウエハーへの移行が進んでいる。
こうした中でYoleは、Si MOSFETおよびIGBTは、コスト競争力や技術の成熟度、高い信頼性、幅広いエコシステムを背景に、今後も主流用途で中心的な地位を維持すると予測。一方で、SiCおよびGaNデバイスは市場シェアを着実に拡大していて、2031年には両技術が市場全体の31%を占めるという見通しも示している。
なお、SiCの採用は主に、バッテリーEV(BEV)の800Vシステム化にけん引されているが、Yoleは「BEV市場の減速によってSiCは供給過剰となり、サプライチェーン全体で価格競争が激化している。SiCウエハーやデバイスの製造コスト低下に加え、中国メーカーによる価格攻勢もSiC価格の下落を加速させている」などと説明。その結果、今後はデータセンターやBESS、大型モビリティ、防衛、超高電圧システムなど、より付加価値の高い用途への展開に重点が移るとともに、製造基盤も6インチから8インチウエハーへの移行が進むとしている。
GaNについては、民生機器向け電源や急速充電器、データセンター向け電源、小型/高周波コンバーターを中心に採用が拡大している一方、「自動車や高出力用途では、信頼性やエコシステムの成熟度、高耐圧デバイスの供給状況が依然として普及の課題となっている」と分析している。
また今後の差別化の鍵として、Yoleは「技術革新の焦点はデバイス構造そのものから、熱マネジメントや先端パッケージ技術へと移りつつある」と言及。主な技術トレンドとして、トップサイド冷却、両面冷却、銅クリップ接続、銀焼結、低インダクタンスモジュールレイアウト、埋め込みダイパッケージなどを挙げている。チップで発生した熱をいかに効率よく放散するかが、競争力を左右する重要な要素になるとしている。
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