AIエージェント普及でCPUの重要性増す、Googleが語る新たな需要:GPU/TPUとの役割分担に変化(2/2 ページ)
Google Cloudのバイスプレジデント兼AI/コンピューティングインフラストラクチャ部門担当ゼネラルマネジャーを務めるMark Lohmeyer氏は、米国EE Timesの取材に対し、「エージェント型AIの要件によって、データセンターCPU/インフラ全体に対する新たな要求が生じている」と語った。
AIエージェントを「休止」させ、CPUを有効活用
またLohmeyer氏は「エージェント型AIの推論に伴う課題を解決するには、今後もインフラスタック全体に及ぶ協調設計が必要になる。例えば、CPUやストレージ、メモリ、ネットワーキングの他、それら全てを連携させる方法などが挙げられる」と述べる。
「Google Cloudには『常にワークロード最適化インフラを実現する』という哲学がある。エージェント型AIの時代には、その重要性がこれまで以上に高まっている」(Lohmeyer氏)
エージェント型AIのワークロードは断続的に発生し、CPUがアイドル状態になる場合も多い。そのため、AIエージェントを効果的に「休止状態」にできる。つまり、CPUを他のAIエージェントで使用できるよう、状態をストレージに送り、一方で再び必要になった場合は、素早くリロードすることが可能だ。
Lohmeyer氏は「そのためには、ソフトウェアに新しいタイプのオーケストレーションが必要だ。また、そのような環境では、非常に高性能なストレージをサーバに接続し、迅速に再起動できるようにすることが重要だ」と述べる。
microVMでエージェントを安全に分離
Google Cloudは、従来の仮想マシンの小規模バージョンのような「microVM」を使用し、同じサーバ上に集積されたエージェント間で、セキュアなバウンダリ(境界)を提供する。例えば、同じハードウェア上で、従来型の仮想マシン100台の代わりに、microVMを1000個実行できる可能性がある。
Lohmeyer氏は「エージェントのセキュリティ/ガバナンスは、極めて重要だ。Googleはスタックのあらゆるレイヤーに大規模投資を行っている」と述べる。
また同氏は「最下層では、仮想化が重要だ。Googleは、エージェントをサンドボックス環境で実行するためのさまざまな手法をサポートする予定だが、中でもmicroVMは特に重要だ。microVMの合理化された機能セットは、性能向上を実現し、攻撃を受ける可能性のある場所(=アタックサーフェス)を従来型の仮想マシンよりも減らすことで、セキュリティを高めている」と述べる。また、Googleはエージェント向けゲートウェイにも投資している。これにより、ネットワークレベルでエージェントの外部通信を制御できるほか、より上位の階層での制御も可能になる。
今後、数千個のmicroVMを稼働させる必要性が高まれば、CPUのコア密度やストレージ、その接続方式、さらには全体を管理するオーケストレーションソフトウェアにも影響が及ぶとLohmeyer氏は指摘する。
その利点は、ハードウェアの稼働率を高められることだ。これにより、エージェント1つ当たりのコストを削減できるという。
「こうした技術によって、顧客は性能を犠牲にすることなく事業を拡大し、適切なビジネスモデルと収益性を維持できるようになります。今後、これらの機能は非常に重要になるでしょう」
用途に応じてx86とArmを使い分け
Lohmeyer氏によると、あらゆる種類のAIエージェントに最適なCPUが1つに決まるわけではないという。Google Cloudは、IntelやAMDのさまざまなx86 CPUに加え、自社設計のArmベースCPU「Axion」を採用している。
「大量のデータを扱うエージェント型AIの用途では、非常に高いコア性能と大容量のローカルSSDが必要になるかもしれない。一方、Webサービスの提供が中心であれば、多数のCPUコアがあれば十分だろう。最終的には、顧客が選択肢を持ち、それぞれのエージェント型AIのワークロードに適したGoogle CloudのCPUを選べることが重要になると考えている」(同氏)
現在、Axionに対しては「顧客から非常に高い関心が寄せられている」とLohmeyer氏は語る。性能重視のインスタンスと電力効率重視のインスタンスの両方に関心が集まっているほか、大規模な顧客からはベアメタルインスタンスへの関心も高まっているという。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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