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Appleはどこへ?――ここ1年で買収した10社から検証まさに“買いあさり”状態(4/4 ページ)

Appleは積極的に買収戦略を展開している。2014年5月、CEOのTim Cook氏は、その時点までの18カ月間で24社を買収したことを明らかにした。今回は、Appleが2014年と2015年に行った買収案件の中から10件を紹介し、それぞれの狙いについて考察してみる。

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【8】Spotsetter――地図アプリ

 Tech Timesは、Appleが2014年6月、ソーシャルマップアプリを提供するSpotsetterを買収したと報じている。AppleがSpotsetterの技術をいかに重要視しているかが分かる。Appleはこの買収により、純正地図アプリ「Apple Maps」の再設計に取り組む考えであるようだ。

 Spotsetterは、TwitterやInstagram、Foursquare、Facebookといったソーシャルメディアアウトレットからデータを取り出して分析することにより、付近のバーやレストランなどのオススメスポットについて情報を提供する。このためユーザーは、友人たちが投稿したスポットに関する情報を入手することが可能だ。このようなサービスについては、Foursquareが既に提供しているが、Spotsetterでは複数のソーシャルサービスが情報源となっているという点で、Foursquareとは異なる。

 Apple Mapsには、さらなる改善が必要だ。Google Mapのような人気の高いサービスに対する競争力を高めていく上で、Spotsetterの技術が大いに役立つだろう。Spotsetterは、Appleによる買収が報じられて以降、サービスの提供を終了している。

【9】LuxVue Technology――ディスプレイ技術

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画像出典:Wikimedia Commons

 匿名の情報筋によると、Appleは2014年5月、LuxVue Technologyを買収している。LuxVue Technologyは、米国シリコンバレーに拠点を置き、マイクロLEDディスプレイ技術を開発している企業だ。同社のディスプレイは今後、Apple製品で採用されることになるだろう。

 PC Magazineは、掲載した記事の中で、「AppleがLuxVue Technologyを買収したことから、Appleがディスプレイパネルを自社製造する戦略へと方向転換したのではないかと考えられる」としている。また、PC MagazineのパートナーであるベンチャーキャピタルKPCB(Kleiner Perkins Caufield Byers)のJohn Doerr氏は、「LuxVue Technologyは、端末の低消費電力化を実現するディスプレイの開発に成功した」と述べているという。

【10】Burstly――アプリテストサービス

 Re/codeは、Appleが2014年2月、iOSのテスティングサービス「TestFlight」の開発元であるBurstlyを買収したと報じている。

 TestFlightは、App Storeを介さずに初期版アプリの試験を行うことができるため、モバイル開発者の間で人気が高いアプリだ。さらに、アプリの性能や、アプリ内課金の成功事例、幅広い視聴者層のエンゲージメントなどに関するデータも提供するという。

 TestFlightでは、AppleによるBurstlyの買収を受け、Android端末およびモバイルアプリ分析プラットフォーム「FlightPath」に向けたサポートの提供を終了している。またBurstlyは、買収に関する報道から1カ月もたたないうちに、出版およびソフトウェア開発キット(SDK)に関するライセンス契約を終了すると発表している。

 Burstlyの開発チームは、2014年2月に買収が報じられた時点で、既にAppleに移籍済みだったようだ。

【翻訳:青山麻由子、田中留美、編集:EE Times Japan】

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