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インタビュー

エンドユーザータッチという価値で勝負する商社半導体商社トップインタビュー 菱洋エレクトロ(4/4 ページ)

再編が進み大きく業界地図が塗り変わりつつある半導体業界。半導体を取り扱う半導体商社の経営環境も激変期にある。そこで、EE Times Japanでは各半導体商社の経営トップにインタビューし、今後の成長、生き残り戦略を聞く企画を進めている。今回は、バリュー追求型の商社として成長を目指す菱洋エレクトロの大内孝好社長に聞いた。

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価値の基盤を担う半導体ビジネス方針

EETJ 半導体/デバイス事業の今後の方針をお聞かせください。

大内氏 半導体メーカーの方向性が、われわれの(IoTビジネスを強化するという)方向性と合致するところによりリソースを投下していくことになる。(主力仕入れ先の)Intel、NVIDIAは、サーバ向けCPUや画像処理GPUといった既存ビジネスに加え、IoT、AIといった部分を強化し、方向性が完全に合致している。だからこそ、サプライヤーからも、われわれのバリューに対し、評価してもらえるはずだ。

 逆に単機能で、ボリュームを追うような半導体に関しては、われわれの価値をサプライヤーに見いだしてもらうことは難しくなる。決して、単機能のデバイスを取り扱わないというわけではないが、価値を共有できるサプライヤーに対しできるだけリソースを集めていく。

 もちろん、代理店としてのポジションを守っていくつもりだが、仮に価値を共有できず、(半導体デバイスを売るための)ポジションを失う場合があっても、最終的には、われわれが(代理店権を失ったメーカーの)デバイスを購入しシステム、完成品として顧客に販売すればよいと思っている。顧客は、今、製品の先にあるサービスを提供することにリソースを投下しており、デバイス単体ではなく、製品としてセット化、システム化して売ってほしいという声が多くなっている。そういったシステム化をパートナーを含めて対応できるようにすることも重要だと思っている。

IoTや自動車領域での価値提供に向けて

EETJ IoTはバリューを発揮できる“1つの領域”とおっしゃいましたが、IoT以外にもバリューを発揮していこうと想定されている領域はありますか。

大内氏 1つ目玉になるのは車載だと考えている。車載といっても従来のECU(電子制御ユニット)周りではなく、コネクテッドカー、自動運転の実現に必要な特長的な技術を持つ半導体メーカーであったり、IPベンダーであったり、ソリューションベンダーであったりの開拓は進めている。おのずとベンチャーのメーカー、ベンダーとの連携になり、パートナーになった途端に大手企業に買収されて、販売権を失うというリスクは付きまとうが、そこは仕方がないことであり商社としてチャレンジを続けていく。

EETJ 今後の成長に向けて克服していかなければいけない課題をお聞かせください。

大内氏 はっきりいうと人材の確保に尽きる。

 IoTの活用領域は本当に広くて、どのIoTがいち早く立ち上がるとか、どのIoTに需要があるのかなどを全体を見渡し、見極める力を持つ人材は不足している。これまで半導体デバイスを売っていた営業スタイルから、顧客のビジネスをどう変えるかといった提案を行うような営業スタイルに変更していくことは大変なこと。重要なのは経験を積んでいくことと、外部との連携だ。強いところと組むしかないと思っている。

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