シリコンインターポーザを導入した高性能パッケージの製品例:福田昭のデバイス通信(108) TSMCが解説する最先端パッケージング技術(7)(2/2 ページ)
シリコンインターポーザを導入したパッケージの製品化時期は、おおむね、2012年の第1期と、2015〜2016年の第2期に分けられる。それぞれの時期を代表する製品例と、それらの特徴を紹介する。
ロジックダイと高速DRAMモジュール「HBM」を集積
2015年〜2016年の第2期では、ロジックダイと高速DRAMモジュール「HBM1」および「HBM2」をシリコンインターポーザ上に集積したパッケージが登場するとともに、シリコンインターポーザのサイズが巨大化した。
FPGA最大手のXilinxは、20nm世代のFPGA「Virtex UltraScale」シリーズでハイエンド品の「XCVU440」にシリコンインターポーザ技術を導入した。3枚のロジックダイを集積している。シリコンインターポーザのサイズは31mm×36mm、面積は1150mm2である。「Virtex-7」シリーズの「2000T」ではサイズが25mm×31mm、面積が775mm2だったので、面積は約1.5倍に増えていることが分かる。
GPUベンダーのAMDは、大規模GPU「Fiji」にシリコンインターポーザ技術を採用した。GPUチップを1個と、「HBM1」モジュールを4個、シリコンインターポーザに載せている。AMDが2015年に展示会兼講演会「Semicon Taiwan」で発表した資料によると、プリント基板の実装占有面積を約3分の1に縮小できたとする。シリコンインターポーザの面積は1100mm2と大きい。
同じくGPUベンダーのNVIDIAは、大規模GPU「GP100」のパッケージにシリコンインターポーザ技術を採用した。GPUチップ「GP100」を1個と、「HBM2」モジュールを4個、シリコンインターポーザに載せている。シリコンインターポーザの面積は1160mm2とこれも巨大である。
(次回に続く)
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