インフィニオン、IGBTを300mmウエハーで量産:従来に比べ効率を0.2%改善
インフィニオンテクノロジーズは、耐圧1200VのIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスター)「TRENCHSTOP IGBT6」を発表した。この製品は300mmウエハーを用いて量産する。
耐圧1200Vの「TRENCHSTOP IGBT6」2製品ファミリー
インフィニオンテクノロジーズは2018年8月、耐圧1200VのIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスター)「TRENCHSTOP IGBT6」を発表した。この製品は300mmウエハーを用いて量産する。
新製品は、2つの製品ファミリーを用意した。「S6シリーズ」と「H6シリーズ」である。S6シリーズは、コレクター−エミッタ間飽和電圧(VCE(sat))が1.85Vと小さく、スイッチング損失も低いのが特長である。
H6シリーズもスイッチング損失は小さい。従来のHighspeed3 IGBT「H3シリーズ」に比べて約15%も小さいという。このため、H3シリーズをH6シリーズに置き換えることで、効率を最大0.2%も改善できることを、アプリケーションテストで確認した。正の温度計数を持つため、並列接続で用いることも容易だという。ゲート抵抗制御性にも優れており、用途に応じてIGBTのスイッチング速度を調整することができる。新製品は15k〜40kHzのスイッチング周波数で動作する。
2つの製品ファミリーは既に量産を始めている。コレクター電流が最大15Aと40AのIGBTを、ハーフまたはフル電流定格の還流ダイオードと一緒に組み込み、「To-247-3」パッケージで供給する。産業用途に向けた75Aディスクリート製品は、コレクター電流が最大75AのIGBTと還流ダイオードを組み合わせたもので、3端子または4端子のパッケージ「TO-247PLUS」で供給する。
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