連載
HDD大手Western Digitalの四半期業績は減収減益:福田昭のストレージ通信(125)(2/2 ページ)
2018年10月末から11月初旬にかけて、米Western Digitalと米Seagate Technologyが四半期の業績を発表した。今回は、Western Digitalの業績について説明する。
HDDとフラッシュ応用品が売り上げの半分ずつを占める
WDはHDD製品とフラッシュメモリ応用製品の売上高も公表している。2019会計年度第1四半期(2018年7月〜9月期)におけるHDD製品の売上高は前年同期比4%減、前四半期比9%減の24億9400万米ドル、フラッシュメモリ応用製品の売上高は前年同期比1%減、前四半期比7%増の25億3400万米ドルである。売上高全体に占める比率はHDD製品が49.6%、フラッシュメモリ応用製品が50.4%であり、両者がほぼ半分ずつとなっている。
粗利益率はHDD製品が32%、フラッシュメモリ応用製品が44%である。HDD製品の粗利益率は過去4四半期で30%〜33%の間にあり、かなり安定している。これに対してフラッシュメモリ応用製品の粗利益率は過去4四半期が51%〜57%の間にあり、今期は急激に低下した。NANDフラッシュメモリの急速な値下がりによる影響を受けたことがうかがえる。
⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧
《次の記事を読む》
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 絶縁膜の埋め込みと平坦化が、複雑な形状の加工を支える
3D NANDフラッシュ製造における重要技術(キープロセス)の一つである「絶縁膜の埋め込み(Isolation Fill)」技術と、「平坦(へいたん)化(Planarization)」技術を紹介する。 - 垂直方向に並んだセルトランジスタを一気に作る
3D NANDフラッシュ製造におけるキープロセスの1つ、「メモリセルの形成(Cell Formation)」技術について解説する。 - 大幅に消費電力を低減したFRAMを発表
Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は2018年11月14日に開幕した展示会「ET&IoT Technology 2018」(会場:パシフィコ横浜/会期:2018年11月16日まで)で、超低消費電力を特長にしたFRAM(強誘電体メモリ)の新製品「Excelon LP F-RAM」を発表した。 - メモリ市場予測、ボトムは2019年中盤か
今回は、これからのメモリ市況を占う。サーバ/データセンター、PC/スマホ、それぞれのメモリ需要のこれまでを振り返りながら、これからどうメモリ市場が動いていくか予想する。 - CypressとSK Hynix System ICが合弁事業
Cypress Semiconductorは、SK Hynix System ICとNANDフラッシュメモリの合弁事業を始める。合弁会社は本社を香港に置き、SK Hynix System ICが60%、Cypressが40%の株式を保有する。 - 125℃動作を保証し5V対応、64kビットFRAM
富士通セミコンダクターは、125℃までの動作温度を保証し、最大5.5Vの電源電圧に対応する64kビットFRAM(強誘電体メモリ)「MB85RS64VY」を開発した。