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Intelの創業10年目(1977年):5V単一電源で動くUV-EPROMを発表:福田昭のデバイス通信(188)Intelの「始まり」を振り返る(21)(2/2 ページ)
Intelにとって創業10年目である1977年の状況を紹介している。前回は1977年の主な出来事をご説明した。今回は、1977年における半導体製品の状況を解説する。
DRAMの大容量化、SRAMの高速化、UV-EPROMの大容量化が進む
ここからは電源電圧の話題からは離れることにする。代表的なメモリ製品であるMOS DRAMとMOS SRAM、MOS UV-EPROMの当時の状況を述べよう。
DRAMの主力は記憶容量が4Kビットの製品である。記憶容量が8Kビットの製品もある。最大容量の製品は16Kビット品だ。ただし前回でも述べたように、16Kビットの量産は立ち上げに苦労している。
SRAMの主力は記憶容量が4Kビットの製品である。1977年は高速のnチャンネルMOS技術(HMOS技術)の開発が完了した。HMOS技術を採用した高速SRAMを同年に発表している。この高速SRAMは記憶容量が4Kビットと同等ながら、アクセス時間を55ナノ秒と従来品の4分の1近くにまで短くした。
UV-EPROMの主力は記憶容量が8Kビットの製品である。1977年は大容量化と電源の簡素化を並行して進めた。記憶容量が16Kビットと大きく、電源電圧が5V単一のUV-EPROM製品を発表している。
(次回に続く)
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