2年後に「ショッカクグローブ」を市場投入
タッチエンスは2019年11月、香川大学とMEMS触覚センサー技術および、手触り感の評価方法に関するライセンス契約を結んだと発表した。タッチエンスは、ロボットや美容、ヘルスケアなどの用途に向けて、2年後の商品化を予定している。
タッチエンスは、研究段階にある触覚センサーの量産化を目指す開発型ベンチャー企業である。2017年11月には柔軟触覚センサー「ショッカクロボット」の量産を始めた。2018年には東京大学の山下研究室とライセンス契約し、MEMS触覚センサー技術をベースとした、極めて小さい多軸触覚センサーを開発中である。
そして今回、香川大学の高尾研究室が開発した手触り感の計測に向けたMEMS触覚センサー技術について、香川大学とライセンス契約を結んだ。タッチエンスは、人間の指先を上回る手触り感の検知能力を備えたMEMS触覚センサーデバイス「ショッカクグローブ」を、小型かつ低コストで実現することにより、新たな触覚センサー市場の創出を目指している。
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