レスターHD、PALTEKの全株取得目指しTOB:完全子会社化へ
レスターホールディングス(以下、レスターHD)は2021年4月9日、PALTEKを完全子会社化することを目指して、PALTEKの普通株式に対する公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。
レスターホールディングス(以下、レスターHD)は2021年4月9日、PALTEKを完全子会社化することを目指して、PALTEKの普通株式に対する公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。PALTEKは本TOBに賛同しており、両社は同日付で完全子会社化に向けた資本業務提携契約も締結した。
PALTEKの商号を継続使用し独立性を担保
レスターHDによるPALTEKの普通株式に対するTOBは、PALTEK発行済株式総数(1184万9899株)の3分の2を上回る729万3700株を買い付け予定数の下限に設定し、2021年4月12日から5月27日までの期間で実施する。TOB価格は680円。なお、PALTEK株の2021年4月9日終値は594円だった。
両社のリリースによると、2020年中旬にPALTEK側からレスターHDに資本業務提携を打診。その後両社で協議し、レスターHDが、TOBを経てPALTEKを完全子会社化することでまとまったとする。レスターHDは、PALTEKの筆頭株主でPALTEK社長の高橋忠仁氏とその親族の資産管理会社(所有割合:32.64%)や第2位株主であるMLPFS CUSTODY ACCOUNT(同5.41%)、第10位株主である高橋氏(同0.77%)とTOBに応募する旨の公開買付応募契約を21日付で提携している。
レスターHDはTOB成立後、TOBで議決権数の90%以上の株式を取得した場合は株式売渡請求、それ以外の場合は株主総会の承認を経て株式併合を実施し、PALTEKを完全子会社化する方針。なお、TOB後のPALTEKの経営方針についてレスターHDでは「当面の間、PALTEKの商号を継続使用し、PALTEKの独立性を担保しつつ、グループシナジーを創出することを最重要事項の一つとして捉え、シナジーの早期実現に向けた最適な体制について、本取引の完了後に、PALTEKと協議の上決定することを想定している」としている。
取り扱いメーカーのM&Aで苦戦
PALTEKは1982年に高橋氏が創業し、通信機器向けFPGA製品や産業機器向け半導体製品の販売、サポートに強みを持つ。2020年12月期業績は売上高295億5600万円、営業利益1億7200万円だった。近年、主要取り扱いメーカーの合従・連衡(M&A)に伴う商流再編で、比較的売り上げ規模の小さいPALTEKは商権確保に苦戦を強いられてきた。直近でも、FPGA取り扱いメーカーであるXilinxをAMDが買収すると発表するなど、今後も取り扱いメーカーのM&Aに伴う商流再編が予想されるため、国内エレクトロニクス商社として有数の売り上げ規模を誇り、FPGA製品の扱いがないレスターHDとの提携、グループ入りを選んだとみられる。
レスターHDは、2019年4月にUKCホールディングスとバイテックホールディングスとそれぞれソニー製品の取り扱いを主力にするエレクトロニクス商社が経営統合し発足。2021年3月期業績として、売上高3500億円、営業利益60億円を見込んでいる。
レスターHDでは、「多様な事業展開やグループシナジー、他社とのアライアンスにより、事業規模及び収益を拡大することで、エレクトロニクス商社業界で売上高1兆円を超えるリーダー企業になることを目指しており、M&Aの実施も視野に、幅広い選択肢を検討していた」という中で、PALTEKからの打診があり、完全子会社化に踏み切ることを決めたとしている。
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