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東北大とTDK、再生可能エネルギー研究で連携強化:次世代風力発電システムの実用化へ
東北大学は、TDKとの連携強化に向けて、「TDK×東北大学 再生可能エネルギー変換デバイス・材料開発共創研究所」(以下、共創研究所)を2022年10月1日に設置した。「2050年カーボンニュートラル社会実現」に貢献していくのが狙い。
人材の育成に関する連携や、新たな研究開発テーマの企画共創も
東北大学は、TDKとの連携強化に向けて、「TDK×東北大学 再生可能エネルギー変換デバイス・材料開発共創研究所」(以下、共創研究所)を2022年10月1日に設置した。「2050年カーボンニュートラル社会実現」に貢献していくのが狙い。
共創研究所は、東北大学大学院工学研究科総合研究棟内に設置した。設置期間は2022年10月1日から2025年9月30日まで。運営総括責任者は東北大学大学院工学研究科特任教授(研究)の榎戸靖氏(TDK技術・知財本部材料研究センター ゼネラルマネジャー)が、運営支援責任者は東北大学大学院工学研究科の中村健二教授が、それぞれ務める。
共創研究所にはTDK側から複数の技術者、大学側からも複数の研究者が集まり、再生可能エネルギーの変換デバイス・材料に関する共同研究を進めていく。特に、洋上風力発電システムについて、運用や製造コスト面の課題を解決できる新たな技術方式の検討や、これらに関わるデバイスおよび、基幹材料の研究開発に取り組む。また、優れた人材の育成に関する連携、新たな研究開発テーマの企画共創なども行っていく計画である。
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