HV、PHV、EV市場、2035年に7600万台規模へ:富士経済が世界市場を調査
富士経済は、HVやPHV、EVの世界市場(乗用車、新車販売台数)を調査し、2035年における市場規模予測を発表した。これによると、HV、PHV、EV合計で、2022年の1402万台に対し、2035年には7600万台に達する見通しである。
全新車販売台数、2035年には半数以上がEVへ
富士経済は2023年7月、HV(ハイブリッド自動車)やPHV(プラグインハイブリッド自動車)、EV(電気自動車)の世界市場(乗用車、新車販売台数)を調査し、2035年における市場規模予測を発表した。これによると、HV、PHV、EV合計で、2022年の1402万台に対し、2035年には7600万台に達する見通しである。
今回の調査では、HV、PHV、EVの他、FCVや48VマイルドHV、内燃車および、関連部品16品目を対象とした。このうち、HV、PHV、EVに関してエリア別市場の調査結果を公表した。調査期間は2023年2〜6月。
調査結果によればHV、PHV、EVの新車販売台数は、2022年に前年比33.7%増と大きく伸びた。全体の新車販売台数のうち、HV、PHV、EVの割合は19.5%となった。2021年に比べ5.1ポイントも上昇した。さらに、2030年までにはEVが内燃車の販売台数を上回り、2035年にEVが半数以上になると予測した。
HV、PHV、EV市場をエリア別に予測した。HVの新車販売台数は2022年に421万台となった。その多くは欧州や日本市場が占めるという。今後はEVシフトにより、欧州では2026年以降、中国や日本でも2030年以降は減少する見通し。2035年には全世界で1176万台と予測した。
PHVの新車販売台数は、2022年に276万台となった。このうち半分以上を中国が占める。中国での伸び率は2021年に比べ2倍以上だという。長期的にはEVやFCVへ移行するとみられるが、中国や欧州を中心に2030年まではPHV市場も拡大する見通し。2035年の市場規模は650万台と予測した。
新車販売台数の伸びとして最も期待できるのがEVである。2022年の705万台に対し、2035年は5774万台と予測した。特に、高級EVや高付加価値EVの開発が進むとみている。また、全固体電池の実用化も、EVの本格普及に弾みをつける。
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