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Intelがガラス基板を本格採用へ、2020年代後半から:「ムーアの法則」継続に向け(2/2 ページ)
Intelは、パッケージ基板の材料にガラスを採用することを発表した。データセンターやAI(人工知能)などワークロードが高い用途をターゲットに、ガラス基板パッケージを採用したチップを2020年代後半にも投入する計画だ。
15年で入れ替わるパッケージ基板
Intelは記者説明会で「パッケージ基板は約15年で入れ替わってきた」と述べた。同社が、パッケージ基板を従来のセラミック製から樹脂製に切り替える方針を発表したのは1995年のことだ。それから既に20年近くが経過し、Intelは次世代の基板材料としてガラスに狙いを定め、10年以上にわたり研究開発を行ってきた。
一方でまだ多くの課題も残る。その一つが耐衝撃性だ。Intelは記者説明会で、耐衝撃性については「何層まで積層できるのか」などを含めて研究中だと繰り返した。さらに、「当面は従来の有機基板パッケージも共存していく。ガラス基板パッケージは、ハイエンド品に適用していく予定だ」と付け加えた。
Intelは、プロセッサの進化とともにパッケージング技術も進化させてきた。先端パッケージング技術には、複数のダイを極小のシリコンブリッジで接続する「EMIB(Embedded Multi-die Interconnect Bridge)」、ロジックダイなどを3次元積層する「Foveros」、はんだボールを使わずにダイ表面の銅電極を直接接続する「Foveros Direct」などがある。2020年代後半には、ここにガラス基板パッケージも“仲間入り”することになる。
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