ローム、車載プライマリーLDO「BD9xxM5-C」を開発:高速負荷応答技術「QuiCur」搭載
ロームは、車載プライマリー電源に向けたLDOレギュレーターIC「BD9xxM5-C」を開発した。独自の高速負荷応答技術「QuiCur」を搭載しており、入力電圧や負荷電流が変動しても、優れた応答特性によって安定した出力が可能である。
優れた負荷応答性能を実現、低消費電力化にも貢献
ロームは2024年2月、車載プライマリー電源に向けたLDOレギュレーターIC「BD9xxM5-C」を開発したと発表した。独自の高速負荷応答技術「QuiCur」を搭載しており、入力電圧や負荷電流が変動しても、優れた応答特性によって安定した出力が可能である。
BD9xxM5-Cは、定格電圧45V耐圧、出力電流500mAである。消費電流も9.5μA(代表値)と極めて少ない。動作温度範囲は−40〜150℃で、車載信頼性規格「AEC-Q100」に準拠するなど、車載製品に求められる基本仕様を満たしている。しかも、QuiCurを搭載することで、優れた負荷応答性能や低消費電流を実現した。
BD9xxM5-Cとして今回は、「BD933M5EFJ-C」「BD950M5EFJ-C」「BD900M5EFJ-C」「BD933M5WEFJ-C」「BD950M5WEFJ-C」「BD900M5WEFJ-C」を発表した。パッケージは外形寸法が4.9×6.0×1.0mmの「HTSOP-J8」で供給する。2023年12月より量産を始めている。チップワンストップやコアスタッフオンラインから購入することも可能。サンプル価格(税別)は200円。これとは別に、「TO252-3」や「TO252-5」「HRP5」などのパッケージ品も用意していく。2024年度中には合計で18製品を投入する予定。
BD9xxM5-Cは、燃料噴射装置やタイヤ空気圧監視システム、ボディコントロールモジュール(BCM)、クラスタやヘッドアップディスプレイ(HUD)といった用途に向ける。
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