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新型イメージセンサーの歩留まり問題 ソニーが改善状況を語る「第2世代品」検討も(2/2 ページ)

ソニーセミコンダクタソリューションズは、2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサーについて、歩留まり改善に向けた取り組みを進めるとともに、フラグシップおよびハイエンドモデルのモバイル向けに第2世代品も検討していることなどを明かした。

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中国スマホ市場が回復基調、フラグシップ/ハイエンドが伸びる

 SSSは、スマートフォン向けイメージセンサーを取り巻く環境についても説明した。同社によると、2023年度下期ごろから中国スマホ市場が回復基調にあるといい、指田氏は「中国スマホ市場は年間2億8000万台程度の規模と見ているが、その中で特にフラグシップ/ハイエンドモデルの比率が高くなっている」と説明。2024年6月はフラグシップ/ハイエンドモデルが前年同期比18%増の成長を見せたといい、「この状況は続くと思われる。フラグシップ/ハイエンドは当社のビジネスの中心であり、その市場が伸びれば必然的にビジネス環境は良くなっていくだろう」と述べた。

 なお、第5次中期経営計画(以下、中計)(2024年から2026年度)における設備投資額は、前中計比約3割減の約6500億円としているが、清水氏は、直近では長崎工場(長崎テクノロジーセンターの生産棟「Fab 5」)を拡張したことなどをあげ、「これまでの投資で、キャパシティーは十分ある。過去の3年間と今後の3年間でみると、バランスは取れている」と説明。さらに「研究開発投資は減らしておらず、これまで以上に研究開発には注力していく」と述べた。

熊本新工場やJASMでの生産の計画は

 また、SSSは2024年5月の事業説明会で、熊本県合志市に新工場を建設すると明かしたが、清水氏は今回、同工場が2024年4月に既に着工しているとしたうえで、生産開始の時期については「長崎のFab 5のキャパシティーがオーバーするタイミングに合わせたい。そのタイミングは市場の状況を見ていく必要がある」と説明。「まずは、18カ月程度といわれる建屋の建設を進め、製造設備のリードタイムを踏まえて、市場を見ながら、いつ設備投資開始のボタンを押すかを決めていく」と述べた。

 TSMCの子会社でソニーも少数株主として出資するJASMについては、第一工場では22nmプロセスでの量産準備が進んでいるという。第二工場では12nmプロセスでの量産を計画をしているが、清水氏は、「12nmを必要とするタイミングはもう数年を想定している。また、2030年ごろには、第二工場で持つキャパシティーでは足らないと考えており、台湾のファブとJASMを使い分ける。第一工場のフル稼働時も約4万枚の月産を想定しているが、それだけでは不足するので、台湾とJASMを活用する」と説明していた。

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