過去最大数の参加者を集めたECTC 2024:福田昭のデバイス通信(467) ECTC現地レポート(5)(4/4 ページ)
「ECTC 2024」は初めて参加者が2000人を突破し、大盛況となった。最終日の昼食会ではラッフル(番号くじ)が行われた。筆者も驚くほど「想定外の豪華賞品」が次々に登場し、会場は大いに盛り上がった。
ペン入力電子ペーパー、MRヘッドセット、メディアタブレットも賞品に
ここまで想定外が続くと、感性がいささか麻痺(まひ)してくる。次の賞品は電子ペーパータブレット「reMarkable 2」である。ペン入力式超薄型タブレット「reMarkable」の第2世代品として知られる。提供はIBM(IBMの製品ではない)。Amazon価格(7月23日調べ)は8万9524円(税込み)とかなりの高額商品だ。ノルウェーのベンチャー企業reMarkableが開発した。
筆者は恥ずかしながら、「reMarkable 2」の存在を知らなかった。後に調べて、高価ながらも「紙(ノート)にペンで書く感覚に最も近いペン入力タブレット」として高く評価されていることを知ることになった次第だ。
さらに次の賞品は、複合現実感(MR)ヘッドセット「Meta Quest 3」だ。Amazon価格(7月23日調べ、ストレージ容量128Gバイト品)は7万4800円とこれもかなりの高額賞品である。パッケージングサービス大手のAmkor Technologyが提供した。この賞品にも会場から歓声が飛んだ。
Amkor Technologyが提供した複合現実感(MR)ヘッドセット「Meta Quest 3」。2024年5月31日の昼食会で併催された「ラッフル」のスライドを筆者が撮影したもの[クリックで拡大]
続いてメディアタブレット「iPad Air」が賞品として登場した。これも会場ではかなりの盛り上がりを見せた。ディスプレイサイズは不明だが、仮に11インチとするとAmazon 価格(7月23日調べ)は11万4800円と「Meta Quest 3」よりも高い。提供はパッケージングサービス大手のASE(Advanced Semiconductor Engineering)である。
ラッフルも終わりに近づいてきた。最後の2つの賞品はいずれも、ECTCが提供した。両方とも聴衆(すなわちECTCの参加者)にとっては、かなり魅力的な賞品に見えた。1つは次回のECTCすなわち「ECTC 2025」の参加登録権だ。ECTC 2024の参加登録料はIEEE会員価格で1265米ドルなので、1米ドルを150円と低めに換算しても18万9750円になる。単純計算では、この賞品が最も高額になりそうだ。
もう1つはGaylord Rockies(ECTC 2024の会場ホテル)の朝食付き宿泊券(2人の2泊分、リゾート税および駐車料金、その他の税金を含む)である。残念なのは、対象が来年(2025年)のECTC会場となるGaylord Texanではないことだろう。もっとも、高級リゾートホテルであるGaylord Rockiesに無料で2泊できるのは、合衆国市民にとっては魅力的かもしれない。
Gaylord Rockies(ECTC 2024の会場ホテル)の朝食付き宿泊券(2人の2泊分、リゾート税および駐車料金、その他の税金を含む)。ECTC実行委員会が提供した。2024年5月31日の昼食会で併催された「ラッフル」のスライドを筆者が撮影したもの[クリックで拡大]
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