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放熱と冷却の基本的な技術福田昭のデバイス通信(469) AIサーバの放熱技術(2)(2/2 ページ)

今回は、放熱と冷却の基本的な技術を解説する。

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高性能だが複雑な液体冷却

 強制空冷よりも高い冷却能力を実現するのが、液体冷却である。液体冷却には間接方式と直接方式があり、コンピュータシステムで早くから実用化されたのは間接方式だ。メインフレームのCPUモジュールの冷却に使われた。

基本的な放熱・冷却技術の概要
基本的な放熱・冷却技術の概要[クリックで拡大]

 間接方式では通常、「冷却プレート(クーリングプレート)」と呼ばれる金属板に発熱部品(CPUやGPUなど)を接触させてモジュール化する。冷却プレートの内部では水(冷却水)がポンプによって移動しており、発熱部の熱をモジュールの外へ移動させる。温まった水は熱交換器によって冷やされ、冷却プレートへと再び送り出される。

 直接方式には、強制対流方式と沸騰熱方式がある。強制対流方式では、発熱部を含めた回路モジュール全体を冷媒(液体)に浸漬する。冷媒には不活性かつ絶縁性の液体を使う。冷媒の液体をポンプによって回路モジュールへと送り、回路モジュールの熱を冷媒に移動させ、熱交換器によって温まった冷媒を冷やす。原理的には間接方式よりも高い冷却能力を実現できる。

 沸騰熱方式でも、発熱部を含めた回路モジュール全体を冷媒(液体)に浸漬する。冷媒には不活性かつ絶縁性の液体を使う。ここまでは強制対流方式と変わらない。違うのは、冷媒液体の沸点が低く、回路モジュールの発熱によって沸騰する点である。冷媒液体は沸騰するときに大量の熱(気化熱)を回路モジュールから奪う。沸騰して蒸気(気体)となった冷媒は、凝縮器(コンデンサー)によって冷やされて液体へと戻る。

⇒(次回に続く)

⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧

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