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技術者が注目すべき市場と機器・部品の動向を詳しく解説:福田昭のデバイス通信(482) 2024年度版実装技術ロードマップ(2)(2/2 ページ)
電子情報技術産業協会(JEITA)が2024年6月に発行した「2024年度版 実装技術ロードマップ」の内容を紹介するシリーズ。今回は「第2章:注目すべき市場と電子機器群」を説明する。
科学技術戦略の中期基本計画を内閣府が2021年4月に策定
ここからは「第2章:注目すべき市場と電子機器群」の概要を説明していこう。始めは「第2章第1節(2.1):イントロダクション」である。この節は「2.1.1 技術・イノベーションに係る国内外の動き」と「2.1.2 電子機器群の分類と定義」で構成される。
「2.1.1 技術・イノベーションに係る国内外の動き」では、日本政府の科学技術・イノベーション戦略を説明した。同戦略は5カ年間の中期計画である「科学技術・イノベーション基本計画」と、単年度の「統合イノベーション戦略」で構成される。中期計画の「科学技術・イノベーション基本計画」は内閣府によって1996年に初めて策定された。2021年4月には最新の基本計画である「第6期基本計画」を内閣府が策定し、公表した。
第6期では目指すべき社会像を「持続可能性と強靭性を備え、国民の安全と安心を確保するとともに、一人ひとりが多様な幸せを実現できる社会」と表現した。そして目指す社会像の実現に向けた「「総合知(自然科学と人文・社会科学の融合)による社会変革」と「知・人への投資」の好循環」という科学技術・イノベーション政策の方向性を示した。
第6期科学技術・イノベーション基本計画(内閣府が2021年4月に策定)[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(2024年6月11日に開催された完成報告会のスライド)
なお「2024年度版 実装技術ロードマップ」はこのURLから購入できる。ご興味のある方は参照されたい。
(次回に続く)
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