「成長の起爆剤に」新電元が京セラのパワー半導体事業買収へ:25億円で、26年1月予定
新電元工業(以下、新電元)が京セラのパワー半導体事業を買収する。京セラが2025年10月に新会社を設立して同事業を移管、この新会社の株式を新電元が2026年1月に25億円で買収する計画だ。新電元は買収による製品ラインアップ拡充および、新たな製品/研究開発の加速などによって、シェア拡大と競争力強化を狙う。
新電元工業(以下、新電元)が京セラのパワー半導体事業を買収する。京セラが2025年10月に新会社を設立して同事業を移管、この新会社の株式を新電元が2026年1月に買収する計画だ。買収価格は25億円の予定。新電元は買収による製品ラインアップ拡充および、新たな製品/研究開発の加速によって、シェア拡大と競争力を強化する。
24年度の売上高は73億円
両社が2025年5月14日に発表した。新電元が買収するのは、京セラが神奈川秦野工場(神奈川県秦野市)、茨城つくば事業所(茨城県つくば市)、電子部品国内営業部の一部および台湾製造子会社で運営するシリコンダイオードを中心とするパワー半導体事業。同事業の2025年3月期の売上高は73億円だった。
京セラは今後、2025年10月に神奈川県秦野市に新会社を設立して同事業を吸収分割させ、2026年に1月にこの新会社の株式を新電元に25億円で売却する予定。京セラは「本件は、当社のポートフォリオ再編に向けた事業の見直しおよび対象事業の成長発展を目的とするものだ」と説明している。
シナジー効果を強調
新電元は、パッケージ増加や自社製チップ活用、大口径化、新製品開発などを買収による利点として挙げていて「付加価値のある製品拡充、設備の統合、技術の掛け合わせ、新電元事業と京セラ事業を融合することで競合に対して優位性発揮する」と説明。京セラの事業計画にシナジー効果を加え、事業規模を拡大し採算性を向上させていくことで、買収価格である25億円は『確実に回収可能』であり「パワーデバイス事業成長への起爆剤とする」と強調している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
2個の従来デバイスを1個で置き換え、Infineonの650V GaN双方向スイッチ
Infineon Technologiesが双方向の電圧/電流制御が可能な窒化ガリウム(GaN)デバイス「CoolGaN bidirectional switch 650V G5」(以下、CoolGaN BDS 650V G5)を発表した。同製品1個で2個の従来型スイッチを置き換えられ、部品点数、コスト、サイズ、全体的な電力損失を削減できる。実装面積を半減、ロームの車載充電器向け新SiCモジュール
ロームが、電動車(xEV)用オンボードチャージャー(OBC)向けに新たなSiC(炭化ケイ素)モジュールを開発した。高放熱パッケージおよび低オン抵抗の第4世代SiC MOSFETによって一般品DIPモジュール比で1.4倍以上と「業界トップクラス」(同社)の電力密度を実現し、実装面積の大幅な削減を可能とした。導通損失を55%低減! ECU向け理想ダイオードIC
新電元工業は「TECHNO-FRONTIER 2024」にて、逆接続/逆流防止用の理想ダイオードICを展示した。従来のSBDと比べて、導通損失を55%、温度上昇を37%低減し、実装面積を75%削減できるという。小型化/低損失に貢献する理想ダイオードIC、新電元
新電元工業は2023年10月17〜20日に開催される「CEATEC 2023」(幕張メッセ)に出展し、機器の小型化/低損失に貢献する最新の理想ダイオードICの実物展示および、従来の逆接続/逆電流防止回路との発熱比較実演を行う。新電元工業、車載ECU向けLF Dualシリーズを開発
新電元工業は、車載用ECUに向けて1パッケージに2個のパワーMOSFETを搭載した「LF Dual」シリーズを開発した。既にサンプル出荷を始めていて、2021年12月から量産を行う。非接触充電システムやGaNパワーモジュールを展示
新電元工業は、「オートモーティブ ワールド2020」で、開発中の「非接触充電システム」や「車載用DC-DCコンバーター」、さらには大電力で高効率スイッチング電源に向けた「パワーモジュール」などを参考展示した。