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「これまでにないダイナミックレンジ」 ソニーのLOFIC画素4Kセンサー単一露光で96dB実現(2/2 ページ)

ソニーセミコンダクタソリューションズが、LOFIC画素を採用した4K解像度CMOSイメージセンサーを開発した。LOFIC構造を「業界最小」(同社)となる1.45μmの単一画素で実現し、1/2.8型と小型ながら1回の露光で4K解像度と96dBのダイナミックレンジを両立している。今回、担当者に詳細を聞いた。

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単一露光方式でアーティファクトフリー

 今回の製品は、LOFICによって単一露光方式でハイダイナミックレンジを実現しているのも特長だ。一般的な製品では、明所や暗所に合わせ、それぞれ異なる露光時間で撮影した画像を複数枚合成処理することでHDRを実現するが、この方法では動きのある被写体などの場合にアーティファクトが発生するといった課題があった。IMX908が実現する単一露光であれば、そうした場合でも、AIによる画像認識の妨げとなり得る輪郭のずれや色ずれを抑えた高精細な撮影を安定して実現できるとしている。

従来品「IMX778」の複数回露光方式による撮像IMX908の複数回露光方式による撮像 従来品「IMX778」(左)とIMX908(右)の複数回露光方式による撮像の比較。従来品はアーティファクトが発生しているが、IMX908では低減されている[クリックで拡大] 出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ

 SSSは、IMX908のサンプル出荷を2026年3月末に開始する予定で、北米や欧州を中心に、厳しいシーンでの活用を求めるセキュリティカメラ市場に向けて展開していく方針だ。

 セキュリティカメラ用途の典型的な例としては、ホテルや店舗のエントランスのように、外が非常に明るく室内が暗い場所がある。このような場合、明るい屋外に露出を合わせると室内が黒つぶれしてしまい、入ってくる人物の顔が見えなくなる。逆に人物の顔に露出を合わせると、背景の屋外が白飛びしてしまい、今度はその後ろにいる人の顔などが撮像できなくなる。IMX908を用いればこうした場合にも対応が可能となるとしている。

 松田氏は、同社センサーがドライブレコーダーにも多く採用されているとも説明。この分野では、例えば夜間走行時、対向車のヘッドライトが強く当たる状況でも、ナンバープレートをはっきりと認識したいという要望があるという。従来のように複数の画像を撮影して合成する方式では、動きの影響でナンバープレートの文字が崩れてしまうことがある。ここでも1回の撮像で広いダイナミックレンジを実現するIMX908の性能が発揮できるとしている。

今後の製品展開と、他事業への横展開の可能性は

 今後のLOFIC画素採用製品の展開について松田氏は「まずは1.45μm画素の製品を投入するが、当社はより大きな画素サイズの製品を複数ラインアップしている。そうした製品にもLOFICを適用できるかどうかについては、今回のIMX908が市場でどのように受け入れられるかを見て判断していく。市場から良い反応が得られ、LOFICに対するニーズが高まるようであれば、将来的に他のセンサー製品への展開も検討していく可能性はある」と説明。多画素化や低照度性能の向上といった開発についても並行して継続的に進めていく予定とした。

 他事業へのLOFIC画素実装については「各業界の顧客ニーズや市場動向に応じて、他分野向けにも採用可能性を検討していく」としている。

<IMX908の主な仕様>
型名 IMX908-AQR1
イメージサイズ 対角6.42mm(1/2.8型)
有効画素数 3856(H)×2180(V)
約840万画素
ユニットセルサイズ 1.45μm(H)×1.45μm(V)
フレームレート 90fps, 10bit
60fps, 12bit
入力駆動周波数 24/27/37.125/72/74.25MHz
電源電圧 1.1/1.8/3.3V
HDRサポート機能 Clear HDR(30fps, 16bit)※内部合成あり
Clear HDR3(30fps, 16bit)※内部合成あり
Hybrid HDR3(30fps, 12bit)※内部合成あり
DOL/12bit 2F 30fps
DOL/10bit 3F 30fps
SNR1s※1 0.53lx
ダイナミックレンジ 96dB(Clear HDR3)
出力インタフェース MIPI D-PHY 2/4Lane
カラーフィルター Bayer
パッケージ セラミック LGA ARコート
Size 12.0mm(H)×9.3mm(V)
※1)セキュリティ用CMOSイメージセンサーに関する、ソニー独自の低照度画質指標

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