2016年4月の日系部品出荷額、前年比約10%減:高周波部品の成長も鈍化
電子情報技術産業協会(JEITA)は、2016年4月の日系メーカーによる電子部品の世界出荷額を発表した。世界出荷額は前年比9.5%減の2996億円となり、5カ月連続の前年割れとなった。
高周波部品の成長も鈍化
電子情報技術産業協会(JEITA)は、2016年4月の日系メーカーによる電子部品の世界出荷額を発表した。それによると、出荷額は前年比9.5%減の2996億円となった。
品目別では、受動部品が前年比6.5%減の1046億円、接続部品が同13.3%減の773億円、変換部品が同18.6%減の608億円、その他電子部品が同2.8%増の568億円である。2015年の出荷額成長をけん引した、その他の電子部品に属する高周波部品(2015年度全体で前年比43%増の4830億円)も、前年比12%増の114億円と成長が鈍化している。
JEITA電子部品部で業務グループ長を務める木村司氏は、2016年6月に開催した説明会で、「前年割れが続く要因までは調査していないが、スマートフォン市場の成長が鈍化したことで、高周波部品の成長率が下がったこと、中国向け出荷額が減ったことが考えられる」と述べていた(関連記事:2015年度の日本の電子部品をグラフで振り返る)。
金額 (億円) |
前年比(%) | 金額 (億円) |
前年比(%) | 金額 (億円) |
前年比(%) | |||
世界計 | 2811 | 98 | 3190 | 93 | 2996 | 90 | ||
(日本) | 747 | 93 | 822 | 95 | 665 | 86 | ||
品目別 | 受動部品 | 全体 | 933 | 99 | 1080 | 91 | 1046 | 93 |
コンデンサー | 649 | 101 | 748 | 92 | 707 | 94 | ||
抵抗器 | 104 | 98 | 116 | 94 | 115 | 92 | ||
トランス | 33 | 102 | 41 | 104 | 40 | 102 | ||
インダクター | 142 | 92 | 169 | 85 | 179 | 88 | ||
その他 | 3 | 82 | 3 | 89 | 3 | 82 | ||
接続部品 | 全体 | 770 | 93 | 885 | 93 | 773 | 86 | |
スイッチ | 375 | 103 | 441 | 104 | 366 | 92 | ||
コネクター | 390 | 85 | 439 | 84 | 403 | 82 | ||
その他 | 4 | 91 | 4 | 103 | 4 | 74 | ||
変換部品 | 全体 | 579 | 96 | 625 | 87 | 608 | 81 | |
音響部品 | 159 | 94 | 158 | 83 | 117 | 63 | ||
センサー | 255 | 90 | 282 | 92 | 323 | 91 | ||
アクチュエーター | 165 | 109 | 184 | 84 | 167 | 79 | ||
その他の 電子部品 |
全体 | 527 | 106 | 598 | 106 | 568 | 102 | |
電源部品 | 224 | 92 | 251 | 92 | 187 | 85 | ||
高周波部品 | 302 | 118 | 346 | 119 | 380 | 114 | ||
出典:JEITA |
地域別の出荷額では、中国が前年比14%減の1072億円、国内出荷額が同14%減の665億円、アジアが同6%減の649億円、米州も同11%減の296億円となっている。欧州向けの出荷額が唯一、前年比10%増の315億円となった。
本統計は、「電子部品企業のグローバル動向調査」をもとに作成された。参加70数社から提出された、連結ベース(グループ間取引調整後)の出荷額データをとりまとめており、地域に関するデータは、原則として該当部品が消費される地域への出荷になる。なお、合計値は単位未満切り捨てのため、一致しない場合がある。
【過去の国内メーカーによる電子部品の世界出荷統計はこちらから】
・2016年3月の国内部品出荷額、前年比6.3%減
・16年2月の国内部品出荷、3カ月連続となる前年割れ
・16年1月の国内部品出荷、2カ月連続の前年割れに
・2015年12月の国内部品出荷、約3年ぶり前年割れ
・2015年11月の国内電子部品メーカー出荷、6.9%増
・2015年10月の出荷額、高周波部品が前年比94%増
・9月の国内電子部品メーカー出荷、前年比10%増
・8月の世界出荷額、高周波部品が前年比65%増へ
・7月の国内電子部品メーカー出荷、前年比13%増
・2015年6月の電子部品出荷額、前年同月比12.8%増へ
・2015年5月の世界出荷額、高周波部品が前年比35%増
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 2016年前半、北米の半導体装置市場が好調
北米の半導体装置市場が好調だ。BBレシオ(出荷受注比率)は5カ月連続で1を超えているという。SEMIが発表した。 - 2015年 車載半導体シェアランキング、首位はNXP
2015年の車載半導体市場は、NXP Semiconductorsが約42億米ドルの売上高でトップに立った。2014年まで首位を維持してきたルネサス エレクトロニクスは、3位となった。 - 2015年度の日本の電子部品をグラフで振り返る
電子情報技術産業協会(JEITA)は、2015年度の「日本メーカーによる電子部品の世界出荷額」に関する統計結果について説明を行った。スマートフォン向け高周波部品がけん引したとみられる。 - 16〜17年半導体製造工場/ラインの着工数は19件
SEMIは2016〜2017年にかけて、新規ファブおよびラインの建設着工が19件予想されることを発表した。これにより、半導体製造装置の投資が2016年末にかけて加速することが予測される。