中国Web大手、AI製品でAmazonに対抗心むき出し:BaiduとAlibabaから発表相次ぐ(2/2 ページ)
AI(人工知能)を使った音声アシスタント機能において、中国のWeb大手であるBaiduとAlibabaが、AmazonやGoogleに対抗すべく、積極的に動いている。2017年7月初頭には、AI音声アシスタント機能や自動運転の開発に向けた取り組みが、BaiduとAlibabaから相次いで発表された。
Amazonもエコシステムを拡大
一方、Amazonは、スマートスピーカー市場での優位性を維持するため、OEMプログラムのチップパートナーを少なくとも1社増やすとみられている。Amazonは、「Alexaデバイスのコストと消費電力を低減しつつ、高精度の音声認識機能を実現した」と主張するとみられている。
Amazon Alexaの開発に携わるMatt Travis氏は、最近開催されたNXP Semiconductorsのイベントで、「構築する期間が、われわれの想定よりも長くなっているのは、さらなる開発キットを開発しているためだ」と語った。
Amazonのある広報担当は、「当社は、主要なSoCベンダーやチップセットベンダーと協業し、スマートホーム、家電、スマートスピーカー、ウェアラブル機器などの製品セグメントに向けて、リファレンス設計を作ることを計画している」と付け加えた。
これまで、Nestのサーモスタット、HTCのスマートフォン、Dish Networkのセットトップボックスなど、15種類以上に及ぶAlexa搭載製品が発売された。
Travis氏は、リファレンス設計のおかげで、「Alexa搭載製品の数は今後も急速に増え続けていき、2017年末のホリデーシーズンにはさらに飛躍的に増えるだろう」と述べた。
Amazonは自動車領域にも注目しているが、必ずしも自動走行車に限るというわけではないようだ。同社は既にBMW、Ford Motor、Hyundai、VW(Volkswagen)と協業関係を結んだことを明らかにしている。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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