東芝の23年度1Qは赤字転落、キオクシア不振が影響:半導体事業は好調(2/2 ページ)
東芝の2023年度第1四半期業績は、売上高が前年同期比366億円減の7041億円、営業利益が同162億円増の114億円。純損益は、持分法適用会社であるキオクシアホールディングスの業績悪化などの影響から、同513億円減となり、254億円の赤字に転落した。
デバイス&ストレージの通期予想を下方修正
同社はデバイス&ストレージセグメントの通期見通しについて、売上高を前回予想(2023年5月公表)から600億円減の7500億円、営業利益は同170億円減の400億円に下方修正した。内訳をみると、半導体事業では、民生向け半導体の需要減から、売上高を同300億円減の4300億円、営業利益を同120億円減の530億円に下方修正。HDD事業についてもHDDの市況回復遅れや特定顧客向け製品保証引当金などの影響から、売上高を同300億円減の3200億円、営業利益も同50億円減で130億円の赤字へと下方修正している。
2023年度通期のグループ全体の予想については、売上高を3兆2000億円、営業利益を1100億円とする前回予想から変更しなかった。売上高は、エネルギーシステム、ビル、リテール&プリンティングの各セグメントで前回予想から上方修正を行い、デバイス&ストレージの下方修正分をカバーしている。
営業利益もデバイス&ストレージにおける下方修正分を、為替影響や成長固定費の削減などで相殺している。
税引き前利益および純利益については、2023年度第1四半期のキオクシア持分法損益を反映し、それぞれ前回予想から400億円減の600億円、300億円に下方修正している。なお、東芝はキオクシアの今後の見通しについて提供を受けていないため、この数値は、キオクシアの持分法損益の将来見通しを織り込んでいない参考値として開示しているものだ。
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