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サプライヤーとエンジニアの“橋渡し役”、100万品種の追加を目指すDigi-KeyDigi-Key Electronics プレジデント兼COO Dave Doherty氏

高品質のソリューションを提供するサプライヤーと、それを探すエンジニアの“橋渡し役”を自負するDigi-Key Electronics(以下、Digi-Key)。プレジデント兼COO(最高執行責任者)を務めるDave Doherty氏は、エンジニアが必要な物を即座に探し出せる環境とサポートが欠かせないと強調する。2020年は、検索エンジンやオンライン設計ツールへの投資を継続するとともに、100万品種の追加を目指す。

» 2020年01月15日 10時00分 公開
[PR/EE Times Japan]
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主要な業績評価指標は過去最高に

――2019年の業績を振り返ってください。

Dave Doherty氏 Digi-Keyでは、「より多くの製品を、最高のサービスレベルで、より多くの顧客に届けること」を指標にしているが、2019年はこれら全ての指標で目標を達成した。約100社もの新規サプライヤーを獲得し、新規および既存のサプライヤーの新製品を30万種追加したことで、受注数、顧客数とも過去最高となった。ただし、2019年の業績については、前年比でわずかに落ち込んだ。2018年は、在庫が逼迫(ひっぱく)した製品が多かったため、豊富な在庫をコミットする当社が恩恵を受けたが、2019年は景気が後退する中、在庫過多の製品が増えたからだ。

――2019年の半導体業界は、米中貿易問題などもあり厳しい1年でした。こうした市況はDigi-Keyに影響を与えましたか?

Doherty氏 純粋な収益という観点で見ると売上高は減少したが、上記のような指標を含め、2019年は全ての主要な業績評価指標が過去最高を記録した。2019年は、全ての地域において堅実で地道な設計業務が継続的に行われている。しかし、リードタイムが予想よりも速いタイミングで正常に戻ったため、機器メーカーをはじめ、受託製造企業および販売業者が過剰在庫を正常化している。さらに、米中間をはじめとする一連の貿易問題を懸念して、機器メーカーの製造サイクルが、より保守的になっている。

自動化技術を駆使した倉庫拡張が進む

――米国ミネソタ州シーフ・リバー・フォールズ(Thief River Falls)の配送センターの拡張計画はいかがですか。

Doherty氏 Digi-Keyの新しい製品配送センター(PDC:Product Distribution Center)は、顧客からの正確な発注数に応えるべく、端数まで含めた任意の量を出荷できる、世界最大規模の施設となる見込みだ。約20万平方メートルの合計床面積を持つ新しい倉庫は、2021年半ばの完成を目指して工事が進んでいる。現在はコンクリートの注入が完了し、ラック、インテリジェントなコンベヤーシステム、その他の自動装置などの設置を行っている。

2021年半ばの完成を目指して拡張工事が進められている倉庫

――拡張した倉庫には、出荷を加速するような新しいテクノロジーが導入される予定ですか。

Doherty氏 新しいPDCは、サードパーティーおよび当社独自の設計を活用した、インテリジェントな保管技術を備えた全長27kmに及ぶコンベヤーを備えている。こうしたシステムには複数の冗長性を持たせ、われわれが提供するハイレベルのサービスを維持し、継続的な成長に向けて今後も倉庫の拡張を続けられるようにしている。

拡張した倉庫の完成予想図

100万品種の追加を目指す

――2020年のビジネスの見通しについて、具体的な事業戦略、施策とともに教えてください。

Doherty氏 2020年は、2019年に比べて100万品種を追加し、顧客数も3万、増やすことを目標としている。市場の成長についてはあまり明確には言えないが、他のディストリビューターやサプライヤーからは、前年比で1桁台前半の成長になると聞いている。その場合、当社の2020年における成長率は、少なくとも市場の2倍を達成できると見込んでいる。

――2020年のエレクトロニクス/半導体市場については、どう見ていますか。

Doherty氏 5G(第5世代移動通信)、機械学習やその他のAI(人工知能)アプリケーションの分野において、設計から量産へと移行する製品も多く出てくるので、2020年後半については楽観視している。この勢いは2021年まで続くとみているので、2021年以降も堅調な年を迎えられると予想している。

――2019年、Texas Insrtuments(TI)が主要ディストリビューターとの特約店契約を2020年12月末に終了すると発表しました。他のサプライヤーも、ディストリビューターとの関係を再考する可能性がありますが、ディストリビューターは、どのような価値をサプライヤーに提供できるとお考えですか?

Doherty氏 われわれの継続的な目標は、サプライヤーによる革新的なソリューションと、それらを探しているエンジニアとの“橋渡し”になることだ。われわれは、サプライヤーとのパートナーシップおよび、サプライヤーに対してサービスを提供できる実力を持っていることを誇りに思っている。サプライヤー側も、世界中の約70万人という顧客に対し、少量多品種の製品、しかも最高レベルの品質を持つ製品を出荷できるわれわれの管理能力を、評価してくれている。

――5G、AI、IoT(モノのインターネット)といったエレクトロニクス業界のメガトレンドを、Digi-Keyとしてはどうサポートしていきますか?

Doherty氏 あらゆるディスクリート部品、より統合されたソリューション、コンテンツ、そして技術サポートを提供することで、これらの主要トレンドを支えていく。さらに、顧客からの信頼に応えるべく、ユニークで面白いソリューションを持つ新たなサプライヤーを見つける努力も怠らない所存だ。

 これら最新の製品を即座に出荷できるよう、常に在庫を確保しておくとともに、顧客が技術やコンポーネントを見つけやすいよう、最新のオンラインコンテンツもそろえておく。

日本拠点に投資してサービスを強化

――日本市場での戦略についてはいかがでしょうか。

Doherty氏 日本の顧客は、使い勝手の良いデジタルインタフェースと、最高のサービスおよび品質を備えた幅広いソリューションという、一貫した要望を持っている。われわれは、業界をリードするであろうカットテープ製品のトレーサビリティと品質を向上させるシステムを展開している。加えてカスタマーサービスチームとテクニカルサポートチームの強化を続けるべく、大阪の現地オフィスに投資していく。

 日本はDigi-Keyにとって非常に特別な市場だ。約50年前、当社の最初のサプライヤーは日本企業だった。そのため、当社のプロセスと機能の多くは日本の顧客向けに確立されていたのだ。日本企業とのパートナーシップによって得た知見は、今日、Digi-Keyが全ての受注において提供している高品質を実現する基礎となっている。

――現在、エンジニアはどのような課題に直面していますか。それを解決するために、どんなソリューションを提供していますか。

Doherty氏 最も競争力のある最終製品を提供するためには、増え続ける製品とソリューションから必要な物を探し出せるスピードとサポートが必要だという声をエンジニアからいただく。われわれは、検索エンジン、オンラインの設計ツール、コンテンツ、在庫という全ての要素に投資し、エンジニアが仕事で成功するためのツールと製品を提供することを約束したい。

 エンジニアは常に、ハードウェアだけでなく、“完全なソリューション”を求めている。例えばIoTでは、センサーやコントローラー、コネクティビティなどの部品のみならず、データプランまで求めている可能性がある。それらを提供できるのがDigi-Keyなのだ。


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提供:Digi-Key Electronics
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2020年2月14日

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