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20年先行くワイヤレス給電システム!! 8000システム以上の市場実績を誇るコンテックの「HID」夢の技術なんかじゃない!

次世代の給電方法として注目を集める「ワイヤレス給電システム」。しかし、今から20年前に、実用化されたワイヤレス給電技術が存在する。高い信頼性が要求される産業機器市場で8000システム以上という実績を持つコンテックのワイヤレス給電技術「HID」だ。

» 2013年06月20日 00時00分 公開
[PR/EE Times]
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 無線で電力を伝送する「ワイヤレス給電」。スマートフォンなどモバイル機器向けに一部実用化されるも、まだまだこれからの夢の給電技術のイメージが強い。しかし、20年前から市場実績を積み続けるワイヤレス給電技術を持つ企業がある。それが、組み込みコンピュータなどでおなじみのコンテックだ。

世界トップクラスのダイフクが20年前に開発、実用化

HID搭載シリコンウエハー自動搬送装置

 話は、ちょうど20年前の1993年にさかのぼる。コンテックの親会社であり、工場や倉庫でモノを動かすマテリアルハンドリング(物流システムや搬送システムなど)装置で世界1、2を争うメーカーであるダイフクは、ニュージーランドのオークランド大学と共同でワイヤレス給電技術「HID」を開発した。HIDとは、High efficiency Inductive power Distribution technologyの略で、直訳すると「高効率電磁誘導電力供給技術」だ。

 ダイフクは、すぐにこのHIDを組み込んだ倉庫の自動搬送システムや半導体工場のウエハー自動搬送装置を製品化した。特に、クリーンルームで使用されるシリコンウエハー自動搬送装置は、ヒット商品となった。

移動中給電型「HID-M」のシステムイメージ (クリックで拡大)

 それまでウエハー搬送装置は、電力が流れる電線に集電子と呼ばれる金属製端子を当てて給電していた。そのため、搬送装置が走行するたびに集電子が摩耗し、クリーンルームの敵である粉塵をまき散らす原因となった。時にはスパークし火花を散らすため、可燃性ガスが含まれる可能性のある場所を走行することもできなかった。一方、HIDを採用した搬送システムは、搬送レールに電線を設置し、その電線に高周波を流して磁界を発生させる。そして、その磁界を搬送装置側のコイルで非接触に受電する仕組みだ。もちろん、摩擦のない非接触給電であるため、粉塵もスパークも発生しない。

執行役員開発本部長を務める布谷誠氏

 90年代からワイヤレス給電システムの開発に携わってきたコンテック執行役員で開発本部長を務める布谷誠氏は「HIDを実用化した20年前は“世界初”の技術として注目を集めた。ワイヤレス給電システムはダイフクのウエハー搬送装置の特徴の1つとなり、今ではウエハー搬送装置の世界シェアトップの一端を担っている」という。

門外不出のコア技術をいよいよ外販

 半導体ウエハー搬送装置の世界トップベンダーに押し上げるなどダイフクのコア技術となった「HID」は、しばらく門外不出の存在だった。しかし、世間でのワイヤレス給電への注目度が高まる中、市場で長い実用化実績を積むダイフクのワイヤレス給電への関心も高まり、「ぜひHIDを外販してほしい」というニーズに応え、ついに門外不出の禁を解くことになった。

 外販を行う上で、産業用コンピュータなどで産業機器市場での充実した販売・サポート網を敷くコンテックが事業を行うのにふさわしいということで、2011年にダイフク内にあったHIDに関わる全ての組織をコンテックに移管して、ビジネスをスタートさせた。

 同時に、外販向けの新製品開発も実施した。半導体搬送装置などに応用する長い電線に磁界を発生させ、移動中も常に給電を行う移動中給電タイプ「HID-M」(最大出力 40kW)に加え、送電側もコイル形状のスポット給電タイプ「HID-S」(最大出力500W)を新たに製品化した。受電側装置にバッテリなどを持つ電動搬送車などの充電用途にも対応できる製品構成を整えた。

スポット型「HID-S」のシステムイメージ (クリックで拡大)

 ワイヤレス給電随一といえる20年という長い実績を持つHID。技術開発、技術改良も過去20年以上にわたり、継続してきたわけであり、昨日今日に実用化されたワイヤレス給電よりも20年先行く技術面での特徴も有する。

電磁誘導の欠点を補い、長所を伸ばすHID

 HIDの給電方式は、ワイヤレス給電では最も一般的な「電磁誘導」だ。電磁誘導は磁界共鳴方式など他の方式と比べ、給電効率が高く、構造も単純で、大電力の送電がしやすいという利点を持つ一方で、伝送距離が短く、受電側と給電側の位置ズレに弱いという欠点がある。HIDは、この電磁誘導の欠点を補いつつ、電磁誘導の利点をさらに高めるいくつかの技術的特色がある。

 その1つが、伝送距離が長く位置ズレに強い、新たな送電用コイルと受電用コイルだ。漏れ磁束が少なく結合率を高めているため、従来のSPOT給電用のコイルより小型化することができる。逆に言えば、従来の大きさであれば伝送距離を飛躍的に伸ばせる特色を持つ。この特色を生かし、「磁界を発生させるための送電用コイルに流す電流の周波数を電波法に触れないフリーな周波数帯である10kHz未満で製品に対応した」(布谷氏)。

 実は、この周波数は高いほど、磁界の発生が増えるため、大電力伝送やコイルの小型化に向いている。そういった理由もあり、電磁誘導方式のワイヤレス給電システムでは20kHz以上の周波数が使用されることが多い。10kHzは、届け出の手間は省けるが、20kHzのシステムに比べ、大型であったり、伝送電力が小さかったりというのが、一般的となっている。コンテックのHIDは、これら問題を解決した製品となっている。

開発本部営業部長の船橋文夫氏

 開発本部営業部長の船橋文夫氏は「10kHz未満の周波数を採用しながら、20kHzの送受電装置と同等以下のサイズであり、伝送電力も小さくはない。より小型で、大電力電送が行えるHIDだからこそ、利便性の高い10kHz未満の周波数が使えるということ」と説明する。

 ただ、「今後のトレンドもにらんでおり、電波法の改正は近い将来必ず実現される。そのための準備も進めている」(布谷氏)という。

伝送距離が飛躍的に伸びる!?

 現在、開発を進めている新世代HIDでは、「電磁誘導では画期的といえる伝送距離の実用化が達成できる見込み」という。「詳細は、明らかにできないが伝送距離だけでなく、送受電装置もかなり小型化できる見込みであり、ぜひ期待してほしい」(船橋氏)と付け加える。

移動する産業機器全てに

 布谷氏は、「2013年2月にHID-Sを正式リリースし、ようやく本格的な外販ビジネスの体制が整った。既にさまざまな産業機器で“HIDを応用できないか”という問い合わせがある。食品や医療関連分野のほか、有線給電が煩雑だったり、危険が伴ったりといった理由で、ワイヤレス給電を求めているユーザーの多さに手応えも感じている。移動する産業機器全てに提案できる製品システムであり、3年後には外販ビジネスで、現状のHID式を上回る販売数を目指す」との目標を語っている。

テクノフロンティア2013に出展します!

次世代HIDの情報が聞けるかも!?

 コンテックは2013年7月17〜19日に東京ビッグサイトで開催される「テクノフロンティア2013」に出展します。

 ブースでは、記事で紹介したHID-M、HID-Sの動作デモを行います。20年の実績を持つHIDの良さを体感できる絶好の機会です。ブースには、HIDの開発担当者も常駐しますので「まだ詳細が明かせない」という次世代HIDの情報も、もしかしたらいち早く聞けるかも!? ぜひコンテックブースにお立ち寄り下さい。

               ブース番号:1B-207


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提供:株式会社コンテック
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年7月19日

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