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スマホ連携機器が簡単に作れる! Bluetooth Smartモジュールアイデア次第で、市場を席巻!

スマートフォンの登場で、さまざまな情報に素早くアクセスできるようになり、ライフスタイルは変化しつつある。電子機器も、スマホと接続することでこれまでは実現が難しかったいろいろな機能、サービスを実現できるようになる。ただ、スマホと連動するには機器に無線モジュールを組み込む必要があり、認証取得、コストなどのさまざまな課題をクリアしなければならない。しかし、これらのハードルを下げ、より簡単に短期間、低コストで機器に無線機能を組み込める“スマホ連携機器のための無線モジュール”が登場し、注目を集めている。

» 2013年09月17日 10時00分 公開
[PR/EE Times]
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 「アプセサリー」(App-ccessory)という言葉をご存じだろうか。新しいコンシューマ機器のカタチを指す言葉で、世界中でその注目度が高まっている。

 急速に普及しているスマートフォン、タブレット端末は、PCやテレビに代わって、最も身近な電子機器となり、これら端末の先にあるクラウドサービスを含めて、あらゆる情報が集約されつつある。生活の中心にスマホ・タブレット端末が存在するようになっていると言っても過言ではないだろう。

 ライフスタイルに変化をもたらしつつあるスマホ・タブレット端末は、電子機器の在り方も大きく変えようとしている。

 これまで、多くの機器は、単独で機能を果たす“スタンドアロン”が当たり前だった。インターネット機能を搭載しネットワークとつながる機器も多くあるが、設定や操作が複雑で使いやすいとは言いがたい。何よりネット機能を搭載した機器はスタンドアロンの機器に比べ割高で、ネット接続対応機器の存在は少数派だった。

スマホと連携する機器「アプセサリー」

 しかし、スマホ・タブレット端末の登場で、その流れは変わりつつある。機器は、スマホ・タブレット端末にさえ接続できれば、スマホ・タブレットを介して、インターネット、クラウドサービスと接続できるようになった。しかも、従来は機器の中に組み込んだ機能の一部を、スマホ・タブレット端末に委ねることも可能になり、機器はより簡素、低コストに実現できるようになる。ユーザーにとっては、ネット接続による大幅な高機能化と低コスト化という2つの大きな恩恵を同時に得られるため、スマホ・タブレット端末連携機器は、強く支持される。

 冒頭に紹介した「アプセサリー」とは、こうしたスマホ・タブレット端末と接続、連携する機器のことだ。今、世界中でアプセサリーの開発が活発化している。体重計や血圧計、活動量計など各種ヘルスケア機器、従来の専用リモコンの代わりにスマホを使うラジコンなどの玩具や家電など、多様なアプセサリーが市販されている。

Bluetooth Smartを活用したアプセサリーの例。スマホのカメラを遠隔操作するボール型のリモコンや、スマホでデジタルカメラを遠隔操作できるアダプタ。スマホのレーダーアプリで場所を探索できるRFタグなど、多彩なアプセサリーが製品化されている

「アプセサリー」はビジネスモデルをも変える

 アプセサリーの登場は、コンシューマ向けを中心に電子機器業界のビジネスモデルをも変えつつある。これまでは機器側に、付加価値の高い機能を組み込むことが大きな差異化要因だったが、アプセサリーでは、必ずしも組み込む必要はない。高度な処理や機能は、高性能なスマホ・タブレット端末に任せれば済む。アプセサリーで最も重要なのは、複雑な機能を組み込むことではなく、どんな機能を実現するかという「アイデア」であり、それをいかに安く、早く市場投入できるかにかかっている。実際、世界で販売され、人気を得ているアプセサリーは、それまでその業界で名の通った大手メーカーの製品ではなく、無名のベンチャー企業の製品であることが多い。アプセサリーの時代では、アイデアさえあれば、市場を席巻できるチャンスがある。

 ただ、アイデアだけで市場で勝ちを収めるには、1つだけ条件がある。スマホ・タブレットとの連携機能を、簡単に組み込めなければならない。実は、このスマホ・タブレットとの連携機能を組み込むことが、とても難しかった。

「アプセサリー」の標準I/FはBluetooth Smart

 スマホ・タブレット端末とアプセサリーのインタフェースは、いくつかの方法があるが、最もユーザーにとって利便性が高いインタフェースは、Bluetooth Smart(Bluetooth low energy)だろう。煩雑なケーブル接続がない無線であり、消費電力が低く、頻繁な電池交換や充電が必要ないためだ。Bluetooth Smartは、AppleではiPhone 4Sから標準搭載し、Androidも次期Androidから標準機能として搭載することが決定し、スマホ・タブレットの標準インタフェースとなることも、その背景にある。

 しかし、繰り返しになるが、組み込む側にとって、Bluetooth Smartは厄介な存在だ。無線を使用するため、各国の電波法の技術基準(日本では、いわゆる“技適”に相当するもの)に適合しているとの認証の他、Bluetoothとしての認証の取得が必須だ。認証取得のためには、無線に関するハード、ソフトの技術ノウハウを相当量蓄積しなければならないし、時間もかかる。無線知識がない人間が、アイデアだけで、アプセサリーを作るのは非常に難しい。無線に関する部分を、開発受託企業や無線モジュールメーカーに任せてしまえば、無線知識がなくてもアプセサリーは実現できるが、アイデアだけでなく、大きな資本も必要になってしまう。

無線知識がなくても、低予算で市場を席巻できる裏には…

 では、無線知識も資本もないベンチャー企業がどうして、アプセサリーで市場を席巻しているのだろうか。その裏には、ノルディックセミコンダクターが開発した無線IC「nRF51シリーズ」がある。

 nRF51シリーズは、一言で言ってしまえば、アイデアだけでアプセサリーが作れる無線ICだ。アイデアが最大の差異化要因となるアプセサリー時代のビジネスモデルを具現化する。

 nRF51シリーズは内部で、電波法の技術基準やBluetoothの認証に関わる無線通信領域と、ユーザーのアイデアが試されるアプリケーションプログラム領域が「SoftDevice」という技術で完全に分離されている。そして、無線通信領域のソフトウェアは既に実装され、各種認証を取得した状態(ICを実装したモジュールでの購入の場合)で、アプセサリー開発者は購入できる。そのため開発者は、時間のかかる認証取得作業を行うことなく、アプリケーションプログラムを開発するだけで、無線知識がなくてもBluetooth Smart対応アプセサリーを短期間のうちに開発、販売できる。

従来の無線ICでのソフトウェア構成イメージ(左)とnRF51シリーズでのソフトウェア構成イメージ。nRF51シリーズでは、「SoftDevice」アーキテクチャにより、無線通信部とアプリケーション部が完全に分離されている (クリックで拡大)

 これまでも無線認証取得済みの無線モジュールは、販売されているが、無線モジュールとは別に、アプリケーションプログラムを実装、動作させるマイコン、プロセッサが必要で、コスト高、大型化、消費電力の増大を招いた。nRF51シリーズでは、外付けのプロセッサを用意することなく、ARM Cortex-M0のCPUリソース、最大170Kバイトのユーザーメモリ領域を使って、アプリケーションプログラムを実行できる。

アプセサリーの申し子「nRF51シリーズ」

 外付けプロセッサが不要な1チップ型の無線モジュールも存在したが、高価だった。1チップ型無線モジュールでは、通信プロトコルなど認証に関わるソフトとユーザー側のアプリプログラムを一体で開発しなければならず、モジュールはカスタム品となる。そのため、生涯生産数量が数千台程度でも、モジュール1個当たり1000〜2000円になったという。ノルディックセミコンダクターの日本担当カントリー・マネージャーを務める山崎光男氏は「スタンドアロンの活動量計が3000〜4000円で売られている中、無線対応機が1万円程度と不釣り合いな価格で販売されているのはモジュールの価格高にあった」と指摘する。そして「10万個、100万個というロットであれば、400〜500円の単価になるだろうが、アプセサリーの分野でその規模の生産量を確保することは難しい」と付け加える。

 一方で、nRF51シリーズが搭載された無線モジュールの価格は、500個程度の小ロットの場合でも、その単価は、「1000円を大きく切るレベル」(山崎氏)だという。その低価格から品質を疑われるかもしれないが、その低価格を実現したnRF51シリーズ搭載モジュールを提供するメーカーは、富士通コンポーネント、ホシデン、SMK、太陽誘電、Braveridgeという日本を代表するモジュールメーカー5社だ。山崎氏は、「国内モジュールメーカーの高い品質、信頼性基準をクリアしたモジュールながら、従来では大ロットでしか実現しなかった割安な価格で購入できる」と胸を張る。

国内の有力モジュールメーカーから製品化されているnRF51シリーズ搭載ブランクモジュール (クリックで拡大)

無線領域とアプリ領域の切り分けで、安く、早くできる

 では、どうしてこの低価格を実現できたのか。その理由も、無線通信領域とアプリプログラム領域を完全分離したSoftDeviceにある。nRF51シリーズ搭載モジュールは、アプリプログラム領域だけが空いた「ブランクモジュール」として提供されるため、モジュールベンダーは、顧客ごとのカスタマイズの必要が一切ない。1つのモジュールを大量生産できるため、ハードウェアコストを下げられる他、ソフトウェアカスタマイズにかかるサポートコストを大幅に削減できるためだ。「従来、モジュールコストを押し上げたのは、ソフトウェア開発のサポート費用だった」という。nRF51シリーズ搭載ブランクモジュールの場合、アプリプログラム領域の開発に必要なツール類(SDKなど)やサポートは、ノルディックセミコンダクターから提供され、モジュールベンダーの負担は大きく軽減されている。山崎氏は、「こうした新しい考え方が評価された結果、優れた技術力を持つ日本の大手モジュールメーカーに多くnRF51シリーズが採用された」と分析する。

従来の無線モジュール(左)とnRF51シリーズ搭載ブランクモジュールとのビジネスモデルの違い。これまでモジュールメーカーに負担がかかったカスタム対応、過大なサポート提供の必要がなくなり、強いてはユーザーに低価格でモジュールが提供できるようになった (クリックで拡大)
スマホと連携するエムティーアイの小型活動量計。nRF51シリーズが採用されている

 nRF51シリーズ搭載ブランクモジュールを使えば、無線通信の技術知識がなくても、スマホ・タブレット端末と連携するアプセサリーを短期間・低価格で製品化できる――。このnRF51シリーズの利点をフル活用したアプセサリーが海外で多く開発される中、「海外に比べ、少し遅れていた」(山崎氏)という日本でも、動きが活発化してきた。女性向け健康管理サイト「ルナルナ」を提供するエムティーアイは、このほどnRF51シリーズを使って同サイトとスマホを介して連携するBluetooth Smart対応活動量計「MTB-210」を発売。国内でも、既存のハードメーカーではない、サービスプロバイダーによるアプセサリーの開発が、盛んになりつつある。

ユーザーは差異化要因に責任を持てば、市場で勝てる!

 nRF51シリーズ搭載ブランクモジュールは、無線通信の部分での開発を一切必要としない。そして価格も割安だ。その半面、アプリプログラム領域は、ユーザーが責任を持って開発しなければならない。従来、アプリプログラムも含めて無線モジュールベンダーのサポートに開発を頼っていたメーカーにとっては、アプリプログラム領域は自ら責任が生じることが、重荷になるかもしれない。

ノルディックセミコンダクターの日本担当カントリー・マネージャーを務める山崎光男氏

 山崎氏は、「アプリプログラム領域は、唯一の差異化部分であり、ユーザーが責任を負うのは必然。従来の無線モジュールを使用したユーザーには抵抗感があるかもしれないが、考え方、ビジネスモデルを変えることで、低価格、短期間にアプセサリーを開発できる。資本のある大手メーカーだけでなく、3Dスキャナや3Dプリンタともに、nRF51シリーズを使えば、中小企業や個人、いわゆるMAKERSでも、売れるアプセサリーを作ることができる。アプセサリーに合った新しい考え方でモノづくりに取り組むユーザーを、nRF51シリーズを通じて支援していきたい」と語っている。

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提供:Nordic Semiconductor ASA
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年10月16日

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