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ARMマイコン導入をスムーズに、ソフト開発者の負荷を軽減充実の開発環境!

スパンションは、産業、民生用途を中心にARM Cortex-M3コアをベースとしたマイコン「FM3ファミリ」を供給している。マイコン製品に加えて、組み込みシステムの開発や評価を容易に行える開発スタータキットなども用意した。また、開発ツールベンダーなどと協力して、FM3ファミリマイコンの導入を支援する技術セミナーの開催にも注力する。

» 2014年02月19日 09時30分 公開
[PR/EE Times]
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 スパンションは、マイコン、アナログ、フラッシュメモリと、3つの主力製品をベースに組み込みシステム向けの半導体ソリューションを提供している。ARM社製32ビットCPUコア「Cortex-M」シリーズを搭載した同社の「FMファミリ」の製品群は、すでに700品種を超える。世界中で採用されているARMアーキテクチャのマイコンに加えて、システムの開発や評価を迅速に行うことができる開発スタータキットの提供、開発ツールベンダーと連携したセミナーの開催、さらには日本語マニュアルを完備している点なども同社の特長だ。

フラッシュメモリ技術などで差異化を図るARMマイコン

 スパンションは、2013年8月に富士通のマイコン/アナログ事業を統合した。NOR型フラッシュメモリを中心としたメモリ企業であった同社は、事業統合を機に組み込みシステム向け半導体の総合メーカーとして新たなスタートを切った。ARM社製32ビットCPUコア「Cortex-M」シリーズをベースとしたマイコンは、多くの半導体ベンダーから供給されている。その中で、スパンション製のマイコンの強みは、ARMコアと独自の高信頼フラッシュメモリ技術を組み合わせている点だ。しかも、富士通を母体としているため、日本語のマニュアルを含めて、きめ細かな顧客サポート力でも差異化を図る。もちろん、全世界でサポートされているARMのエコシステムを最大限に活用できることは顧客にとっても大きなメリットとなる。

 なかでも、ARM Cortex-M3コアをベースとしたマイコン「FM3ファミリ」は、産業/民生用途に向けたARMマイコンである。ここでは製品についての詳細な解説はしないが、動作周波数は最大144MHz、電源電圧は1.65〜5.5Vと広い。用途に応じて「ハイパフォーマンスグループ」から「ウルトラローリークグループ」まで4つのグループを用意している。引き続き同社は、FM3ファミリの製品群を拡充していくとともに、「Cortex-M4」や「Cortex-M0+」といったCPUコアを搭載したマイコンファミリも、当初の計画通りに製品化していく計画である。

左はFM3ファミリの製品一覧、右はFMファミリの開発ロードマップ(クリックで拡大)

開発スタータキットを活用する

 本稿では、Cortex-M3コアを搭載した32ビット汎用マイコンであるFM3 ファミリの「MB9AF312K」を搭載した開発スタータキット「SK-FM3-48PMC-USBSTICK」(MB2051-206E-SPN)と、IARシステムズ社の統合開発環境「IAR Embedded Workbench」を用いて行われた「ハンズオンセミナー」の内容から、FM3ファミリ向けプログラム開発のポイントや注意点などについて、その概要を紹介する。

スパンションから提供されるFM3ファミリ用開発スタータキット「SK-FM3-48PMC-USBSTICK」(MB2051-206E-SPN)の外観

 開発スタータキットに含まれる評価ボードには、USBコントローラが内蔵されたMB9AF312Kが搭載されている。キットに同梱されているソフトウェアとドライバをPCにインストールしておけば、評価ボードとPCを接続し、USB経由でJTAGデバッグとUART通信を行うことができる。評価ボードには照度センサーやLEDチップ、押ボタンスイッチなども搭載され、動作確認などが容易に行える。

 FM3ファミリ向けプログラムの開発やデバッグは、IARシステムズ社が提供する統合開発環境「IAR Embedded Workbench」(ARMマイコンに対応した製品は『EWARM』と呼ぶ)などを用いて行う。システム設計者は、PCにインストールされたEWARMを用い、開発したプログラムをMB9AF312Kにダウンロードして、実機による評価/デバッグを行うことができる。

 新たな電子機器を開発する場合に、要求される仕様を具現化できるのであれば、従来と同じアーキテクチャのCPUコアを搭載したマイコンを利用するケースが多い。それは、開発済みのソフトウェア資産を有効に活用できるからである。命令セットや開発ツールの操作方法などに関する技術者の習熟度も高く、開発効率も良い。

 しかし、現行アーキテクチャのマイコンでは、新製品に要求される仕様を満たせなかったり、将来的なマイコンのロードマップが明示されていなかったり、システム開発の効率を格段に高めたかったりする場合、「新たなアーキテクチャのCPUコアを採用したマイコンに切り替えることが得策」というケースも多い。ところが、アーキテクチャが異なるマイコンへの変更を決断しても、現実的な問題もある。システム開発の期間短縮と肥大化する作業量への対応、そして高い品質の維持などが要求され、技術者の負荷が増大する可能性がある。繁忙な技術者は新たな命令セットや開発ツールの操作方法について、「じっくりと時間をかけて習得している余裕がない」というのが実情だ。さらに、英語のマニュアルしか手に入らないとなると、アーキテクチャの変更に苦痛を感じる日本人技術者は少なくない。

開発スタータキットでFM3マイコンを身近に

 スパンションは、こうした技術者の悩みを軽減したり、解決したりしてくれるマイコン製品群とサポート体制を整えている。その1つが、開発ツールベンダーと協力した「ハンズオンセミナー」の開催である。SK-FM3-48PMC-USBSTICKとEWARMを用いたハンズオンセミナーでは、FM3ファミリやEWARMに関する製品の特長や機能を紹介しつつ、割り込み処理のプログラム開発を学んだり、他社製マイコンから移行する際の注意点などを分かりやすく説明したりしてくれる。

 ARMコアマイコンを利用する大きなメリットの1つが、「充実したエコシステム」であると前述した。それがデメリットになることもある。セミナーでは、「実際にプログラムを開発しようとしても、CPUコアと各種ペリフェラルのマニュアルがばらばらのサイトに存在する。このため、必要となるマニュアルは作業する前に全てそろえておく必要がある」と、開発作業を効率よく進めるためのコツも教えてくれる。

 また、ARMマイコンの汎用I/Oに関するプログラミングでは、特に注意が必要なことを強調した。ローパワーが大きな特長となっているCortex-Mコアでは、I/Oのクロックをオン/オフすることができ、クロックがオフの状態では、プログラムが正常に動作しないことがあるからだ。「ARMコアでは汎用I/Oのクロックがデフォルトでオフとなっている。I/Oクロックが通常オン状態に設定されている他のマイコンではこうした問題は生じない」。

 Cortex-Mコアの特長の1つに「高いコード効率」がある。セミナーでは最大公約数(gcd)を求める関数について、ARMコアで使われる3種類の命令セット(ARM、Thumb、Thumb2)を、ターゲットのマイコンに合わせてコンパイルし、そのコード効率を比較した。さらに、「レジスタ構成」、「関数呼び出し」、「割り込みコントローラ」などについても、ARMコアの特長や開発ツールの機能を、分かりやすく紹介してくれる。さらに、プログラムのコーティング作業において、FM3ファミリとそれ以外のマイコンとでは記述方法が異なる点も、「注意すべきポイント」としていくつか紹介した。

最大公約数(gcd)を求める関数でも、命令セット(ARM、Thumb、Thumb2)によってコード効率は異なる(クリックで拡大)出典:IARシステムズ社

 マイコンや開発環境の特長とは別に、前述の通りスパンションは日本語のマニュアルを完備している点も大きな特長だ。分かりやすいマニュアルを半導体ベンダーが用意するのは当然といえば当然だが、ARMコアをベースとしたマイコンは、外資系を中心にさまざまな半導体ベンダーから供給されていることもあって、「外資系ベンダーのほとんどはマニュアルが日本語化されていない」という。その上、「マニュアルに記述されている低消費電力モードの設定手順の説明内容などに、その優劣が現れている」と、具体的に指摘する。同社は富士通のマイコン事業を母体としていることもあり、分かりやすい日本語のマニュアルを当初から用意するなど、日本でのサポート体制は万全だ。

まずは体験、そして課題解決

 現行マイコンからARMマイコンへの切り替えを検討しているユーザーや、新規採用のマイコンを選択中のユーザーは、SK-FM3-48PMC-USBSTICKなどの開発スタータキットを用いて、ARMマイコンを実際に体験してみたらどうだろうか。他社製マイコンからARMマイコンへの切り替えが、思ったよりスムーズに行える。またシステム開発にかかわる悩みや疑問を解決するため、スパンションやそのパートナーが実施している「ハンズオンセミナー」など、積極的な活用を推奨する。



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提供:Spansion Inc.(スパンション)
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年12月17日

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