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560Mbpsの超高速無線「TransferJet™」の時代がやってくる!Touch & Get!

「分かりやすさ」「高速性」「安定性」を兼ね備えるという超高速無線技術「TransferJet™」。2013年末には、誰でも簡単に使用できる新ソリューションが登場し、スマートフォンやPCでもTransferJet™を組み込もうという機運が高まっているという。今、注目の無線技術「TransferJet™」を紹介する。

» 2014年04月24日 10時00分 公開
[PR/EE Times]
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 最大転送速度560Mビット/秒、実効速度375Mビット/秒という超高速無線技術「TransferJet™」(トランスファージェット)をご存じだろうか。100Mバイト容量のHDビデオクリップであれば、わずか2秒程度で転送できる無線だ。

“通信距離が短くて、超高速な無線”

 TransferJet™は、超高速の無線技術だが、その伝送距離は0〜3cmと極めて短い。「なんだ、それじゃあ無線と言えないじゃないか」と思われるかもしれないが、コネクタ接続などがいらない、れっきとした無線通信技術である。この“通信距離が短くて、超高速な無線”であるTransferJet™は、HD動画に代表される大容量コンテンツが当たり前になりつつある今、欠かせない無線通信技術になろうとしているのだ。

 スマートフォンの登場で、いろいろなコンテンツを外出先に持ち出せるようになった。テレビやPCで録画/ダウンロードしたHDコンテンツをスマートフォンに転送して楽しんでいるスマートフォンユーザーも多いだろう。また、スマートフォンで撮影した写真や動画をPCに転送し、閲覧/保存するケースも多いはず。スマートフォンユーザーのほとんどは、PCなどの外部機器とデータのやりとりを行っているだろう。

 このスマートフォンと外部機器のデータ転送方法として、現在、最も一般的に用いられている方法がUSBによるケーブル転送であり、無線ではない。もちろん無線LANやBluetoothでワイヤレス転送できるようになっているが、転送に時間がかかるなどの問題を抱える。友人とのデータ共有などの場合は、接続するまでのセットアップが煩雑で転送までに多くの時間を費やすといったことも多い。結局、データ転送は、ケーブル接続やメモリカードなどのストレージ経由で行い、まだまだ無線は主流ではない。ケーブル接続が当たり前の充電でさえ、ワイヤレス給電化が始まっている中で、データ転送の主流がいまだに無線化されていないという状況は、「遅れている」のではないだろうか。

スマートフォンなどデジタル機器間のデータ通信でも十分に無線化できていない領域が存在する

現状の無線だけでは不十分

 なぜ、無線化されていないかを整理すると、既存の無線は、「接続セットアップが複雑」「転送速度が遅い」「不安定」といった問題を抱え、ケーブル接続のような「分かりやすさ」「高速性」「安定性」を備えた無線が存在しないということが原因だ。その中で、TransferJet™は「分かりやすさ」「高速性」「安定性」を兼ね備えた無線通信であり、あらゆるものが無線化されていく中で欠かせない無線通信技術の1つになろうとしているのだ。

無線化できていなかった領域を無線化する「TransferJet™」

TransferJet™とは

 “通信距離が短くて、超高速”であり、“欠かすことのできない無線”であるTransferJet™とは、どのようなものかもう少し詳しく見ていこう。

 TransferJet™を分かりやすく説明した動画もあるので、ぜひ参考にしてほしい。

動画が取得できませんでした

 TransferJet™の使い方は、TransferJet™対応機器同士を近づける(接触/タッチさせる)だけだ。近づけるだけで、自動で(あらかじめ選択した)データの転送が行われる。データ転送といっても、100Mバイト容量のデータでさえ、ペアリング時間(0.1秒程度)を含め2秒程度で済んでしまう。写真データの交換などであればタッチした瞬間にデータ転送を終えている感覚。まさに「Touch & Get!」だ。

安定した通信

 TransferJet™が使用する周波数帯は4.48GHz帯。多くの無線通信が存在する2.4GHz帯などのISM帯で発生しがちな混信などの心配がなく、安定した通信が行いやすい帯域を使用している特長がある。

TransferJet™の無線仕様
TransferJet™機器の構成

 機器にTransferJet™機能を組み込む方法は、TransferJet™に必要なRF回路、モデムなどがワンチップ化された専用ICとアンテナの役割を果たす誘導電場カプラ、フィルタなどを実装すれば、対応できる。とはいえ、4.48GHz帯という高周波回路を構築するには専門的な技術が必要となる。そこでTransferJet™専用ICを製品化している東芝は、専用ICと周辺部品を一体化し、基板に実装するだけでTransferJet™対応ハードウェアを実現できるモジュールも製品化している。最新TransferJet™モジュール「TJM35420XLQ」はわずか4.8mm角サイズ(高さ最大1mm)であり、カプラを外付けすることでTransferJet™対応を実現可能。小型化要求の強いスマートフォンにも十分に実装できるサイズを実現している。

TransferJet™普及の起爆剤

 「分かりやすさ」「高速性」「安定性」を兼ね備えたTransferJet™だが、課題もある。それは、普及度の低さだ。いくら優れた無線であっても、機器が対応していない限り、使用できない。これは、TransferJet™だけではなく、新たに登場した通信技術全てにいえることだ。現在は、広く普及した無線LANやBluetoothも克服してきた課題だ。

 その中で東芝は2013年末に、TransferJet™普及の“起爆剤”といえる製品を発売した。それが、TransferJet™対応USBアダプタモジュール「TJM35420UX」とMicroUSBアダプタモジュール「TJM35420MU」の2製品だ。いずれも機器のUSB/MicroUSBソケットに差し込み、無償の専用アプリソフトをインストールすれば、TransferJet™対応を実現できる。専門知識もなく、手持ちのスマートフォンやPCでTransferJet™による“Touch & Get!”の世界を作ることができる。2製品は多くの家電量販店店頭でも販売されている。

TransferJet™対応USBアダプタモジュール「TJM35420UX」(左)とMicroUSBアダプタモジュール「TJM35420MU」

 アダプタモジュールを製品化した東芝は現在のTransferJet™を取り巻く環境について、「これまで、TransferJet™は対応機器が少なく、使いたくても使えない状況が続いてきた。アダプタモジュールの登場で、誰でも簡単にTransferJet™を使用できるようになり、ようやくTransferJet™の本格普及に向けた環境が整った状況だ」という。

東芝の描く「TransferJet™」の普及イメージ。USBアダプタモジュールなどアクセサリが登場したことで、スマートフォン/PCへの搭載機運が高まりつつある

 アダプタモジュールの発売からわずか数カ月だが、普及に向けたいろいろな変化も表れてきた。

本格普及期が到来か!?

 1つは、産業機器や医療機器などの用途でのTransferJet™の利用拡大だ。これらの用途では、他の機器への影響を避けるためや、セキュリティ面から無線の使用が限られている用途が多数ある。しかし、ケーブル配線の煩わしさなどもあり、潜在的な無線化ニーズが存在した。そこで、無線が10cm程度も飛ばず、無線を傍受される心配も極めて少ないTransferJet™が注目され、アダプタモジュールの発売とともに導入が進みつつある。「取り扱うデータ容量(転送量)が小さいケースでも、TransferJet™の安全性・利便性から採用されている」という。

 もう1つの変化は、TransferJet™普及に向け大きな鍵を握る“スマートフォンやPCへの組み込み化”の動きだ。アダプタモジュールの登場で、一般消費者にも徐々にではあるが認知されようとしているTransferJet™に対し、スマートフォン/PCメーカーやスマートフォン/PC向けチップセットベンダーも注目しつつある。「多くのハードを搭載してきたスマートフォン/PCにとって、TransferJet™は今後、追加できる数少ない機能だ。機器の独自性や新たな価値をTransferJet™で生み出そうという動きが顕在化している」という。スマートフォン向けチップセットの大手ベンダーであるクアルコムは、最新チップセットのリファレンスデザインで、先に開催されたMobile World Congress(MWC) 2014といった展示会でTransferJet™対応のデモを披露するなどしている。

コスト面は「問題なし」

 スマートフォン/PCへの組み込み化では、普及度とともに、コストも大きな問題となるが、東芝では「TransferJet™はコスト面で問題はない」とみている。「無線LANやBluetoothの事例からみて、機器への組み込みが本格化するためのコスト目安は500円。TransferJet™は現状で、1台当たり500円未満のコストで組み込むことが可能だ」という。

 誰でも簡単に利用できる環境が整い、いよいよスマートフォン/PCへの組み込み化への機運が高まりつつあるTransferJet™自体も、さらに進化を遂げようとしている。TransferJet™の標準化を進めるTransferJet™コンソーシアムでは、2015年に現行規格と同じ4.48GHz帯を使用しながら2Gビット/秒と現在の約4倍の転送速度を実現する新バージョンがリリースされる予定。さらには、将来の超大容量コンテンツ時代を見据えた10Gビット/秒通信対応バージョンのリリースも予定で、常に速度面で無線通信技術をリードしていく見込みだ。

TransferJet™の高速化ロードマップ

将来は10Gbps!!

東芝のTransferJet™関連製品

 TransferJet™コンソーシアムの中心メンバーの1社である東芝は、今後も最新規格に対応したTransferJet™対応製品を投入していく方針。東芝では「無線分野でTransferJet™がパラダイムシフトを起こそうとしている。機器組み込み用の専用ICからモジュール、USB/メモリカード型アダプタまでのTransferJet™対応ソリューションで、さまざまな機器でのTransferJet™対応を支援していきたい」とし、「第17回組み込み開発技術展(ESEC)」(2014年5月14〜16日、東京ビッグサイト)や「ワイヤレスジャパン2014」(同年5月28〜30日、東京ビッグサイト)といった展示会なども通じて、最新TransferJet™対応ソリューションの紹介を行っていく。


TransferJetおよびTransferJetロゴは、TransferJetコンソーシアムがライセンスしている商標です。



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提供:株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年5月30日

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