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データ収集から解析まで“使えるIoTプラットフォーム”をワンストップで提供ビジネスで勝つにはIoTへの早期対応が不可欠

Advantech(アドバンテック)は、パートナー企業との連携により、IoT(モノのインターネット)ソリューションの導入を支援するためのIoT戦略を一段と加速する。

» 2015年06月12日 10時00分 公開
[PR/EE Times]
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 産業用PCなど組込み機器の世界的メーカーであるAdvantech(アドバンテック)は、パートナー企業との連携により、IoT(モノのインターネット)ソリューションの導入を支援していくためのIoT戦略を一段と加速していく。

 アドバンテックはこれまで、産業用コンピュータやオートメーションシステム市場において、高品質・高性能なeプラットフォーム・サービスの開発と製造を行ってきた。同社が取り組みを強化しているIoT戦略は、IoT社会を具現化するためのハードウェア/ソフトウェア提供と技術サポートを行うための環境づくりである。最終的には顧客となる企業が、これらのソリューションを活用して、IoT時代における新たな需要を創出できるよう支援していくのが狙いである。PaaS(Platform as a Service)のビルディングブロックプロバイダーとして、ソフトウェア価値の最大化に重点を置いた戦略である。

 アドバンテックは、IoT戦略を推進していくために、「WISE(Wireless IoT Solutions Embedded)-Cloud Alliance」を立ち上げる。同社が提唱するIoT戦略に賛同するパートナー企業と連携して、IoTを活用した企業運営を行うために有用な環境づくりを進めていく考えだ。同社が「WISE-Cloud」と呼ぶ新しいクラウドコンセプトは、機器/端末からのデータ収集を出発点として、最上位のクラウドシステムによるデータ解析、さらには機器を制御するために必要なハードウェアとソフトウェアを、包括的なプラットフォームとしてワンストップで提供しようというものである。

競争に取り残されるな!

 アドバンテック日本法人の社長を務めるマイク小池氏は、IoTが世界経済に与える影響について、「これから10〜15年のうちに、IoTの世界が劇的に変わる。コンスーマの分野ではクラウドサービスが一般的になってきた。組込みシステムの分野においても、これから大きく変化していくだろう」と話す。

IoT実現に向けたさまざまなソリューションを用意するアドバンテックの日本法人社長 マイク小池氏

 小池氏は、エコノミストがまとめたIoTに関する意識調査*)についても触れた。2013年に実施された企業のエグゼクティブに対する調査結果によれば、向こう3年間にIoTが産業に与える影響度は、「多くのマーケット・多くの産業に大きなインパクトを与える」と回答した人が38%を占めた。「複数のマーケット・産業にインパクトを与える」と回答した人は40%に達した。また、「限られたグローバルプレヤ―に大きなインパクトを与える」と予想した人が15%となった。さらに、IoTに関してグローバル企業の75%が、「積極的に模索している」、あるいは「すでに使用している」と回答している。

 「IoTは回答企業の運営方法を変化させるか」という問いに対しては、回答者(複数回答)の30%が「新しい収益のチャンスを開く」、29%は「新しい仕事の手順/ビジネスプロセスにひらめきを与える」、23%は「既存のビジネスモデル・戦略を変化させる」、同じく23%は「新しいイノベーションの波を起こす」と答えた。さらに、60%のエグゼクティブが「IoTを統合するのが遅い企業は競争に取り残される」と確信していることも分かった、という。

*)出典:“The Internet of Things business index: A quiet revolution gathers pace”, by The Economist Intelligence Unit, 2013/11/18

 このように、社会生活や企業の経営環境を大きく変化させようとしている「新しい波」に対して、アドバンテックはIoT戦略をより鮮明にする。その中核となるのがWISE-Cloud戦略であり、「パートナー企業との連携による統合的なプラットフォームの提供」へと大きく舵を切る。

 アドバンテックは、これまでもIoT戦略につながる取り組みを早くから行ってきた。アドバンテックが従来得意とするエンベデッドプラットフォームの提供から始まり、2012年には「SUSIAccess™(Secure&Unified Smart Interface Access)」をベースとしたインテリジェントシステムを提案してきた。SUSIAccess™は、遠隔地からインターネットを介して、機器や各種センサーの制御/動作監視といったリモート管理が行えるソフトウェアサービスである。上位のさまざまなアプリケーションクラウドサービスとの接続機能も備えている。そして2014年には、IoT&クラウドサービスとして、「WISE-IoTモジュール」や「WISE-IoTプラットフォーム」「WISE-Cloud PaaS」「IoTデザインインサービス」などを発表・提供開始するなど、より包括的なビジネスを展開している。

7つの構成要素

 調査会社IDCによると、IoT市場は7つの構成要素に分けることができるという。そのセグメントとは、センサーモジュールなどの「IoTデバイス」、接続のための「通信モジュール/通信回線/通信機器」、システム基盤となる「IoTプラットフォームソフトウェア」や「アナリティクスソフトウェア」、あるいは「IoTインフラストラクチャ」、アプリケーション領域となる「垂直市場ソリューション/専門サービス」、そしてこれらすべての構成要素を包括する「セキュリティサービス」である。アドバンテックはそれらのIoTの市場構成要素に対して、「データ収集」「データ伝送」「データ統合」および「データ解析」といった視点からの、ユーザーのIoT活用支援を行っていく。

 具体的にアドバンテックが提供するIoTソリューションとしては、データ収集やデータ伝送に向けたハードウェア/ソフトウェアなどがある。例えばセンサーゲートウェイやデータゲートウェイ、組込みシステムなどのIoTデバイスや、Microsoftのクラウドプラットフォーム「Azure」とのスムーズなシステム連携を可能とするSUSIAccess™を用意した。特に、IoTデバイスには、「WISE Agent」と呼ぶソフトウェアが搭載されている。このソフトウェアによって、従来は分断されていたIoTデバイス側とクラウド側のSUSIAccess™との連携が可能となった。

 一方、パートナー企業は、アドバンテックが提供するIoTソリューションをベースに、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS、SaaS(Software as a Service)などのIoTサービスを構築して、統合されたシステムを顧客に提供していく、という仕組みである。小池氏は「当社はIoTサービスを実現するためのコンセプトとハードウェアプラットフォームを提供していく。アドバンテックがクラウドサービスまで行うつもりは全くない」と、自身の立ち位置を明確にする。

アドバンテックのIoT戦略の概要(左)と、IoTソリューション統合モデルのイメージ図 (クリックで拡大)

 WISE-Cloud戦略を展開する中で、アドバンテックの強みは、ビルディングブロックとして用いられる組込みIoTデバイスが、豊富に用意されていることだ。センサーゲートウェイやエッジコンピュータ、ディスプレイ装置、各種組込みモジュールといったハードウェア製品に加えて、「Windows Embedded」や「McAfee」など、組込みOSからセキュリティ対策ソフトウェアまで、まとめて提供する。さらに、上位のクラウドシステムとIoTデバイスの連携を可能とするSUSIAccess™が、WISE-Cloud戦略を展開する上で、コア技術の1つとなっている。SUSIAccess™は、ハードウェアの状態を監視する機能に加えて、ソフトウェアモニタリング機能もサポートされている。

 アドバンテックの強みはこれ以外にもある。その1つは、パートナー企業が保有する技術を融合して、新たな価値を顧客に提供する能力だ。既に、MicrosoftやIntel、IBM、Texas Instrumentsなどと戦略パートナー契約を結び、顧客のニーズに対応するソリューションを提供してきた。「産業用PC市場では全世界で27%のシェアを獲得している」(小池氏)ことも、対応能力の高さを担保する数値と言えよう。

 2つ目は設計支援などのサービス体制だ。同社は21か国92都市で事業を展開し、顧客に対するグローバルなサポート体制を整えている。「回路設計や製品製造に関する受託サービスのみならず、必要であればビジネスモデルまで提供する形態もありうる」(小池氏)と話す。

 3つ目は高品質の製造ラインを保有していることだ。台湾・林口キャンパスと中国・蘇州の2か所に製造拠点を設けている。現在、林口キャンパスは2期工事を行っており製造能力を増強している。拡張工事が完成すれば、台湾と中国の生産能力はほぼ同等となる予定だ。高い生産品質に加えて、生産能力の面でも顧客の要求に対応できる供給体制が確立されることになる。

WISE-Cloud戦略

 アドバンテックは、WISE-Cloud戦略を推進するにあたって、4つの項目を掲げた。グローバルに戦略を展開していくための「専任組織の設置」「パートナーシップによるエコシステムの提供」「統合プラットフォームの構築」、そして「産学連携」である。

アドバンテックが推進するWISE-Cloud戦略のイメージ図

 パートナーシップによるエコシステムの提供と統合プラットフォームの構築に向けて、アドバンテックはWISE-Cloud Allianceを立ち上げた。小池氏は、「ビジネス価値を創造するために、IoTソリューションの導入を推進している顧客やSIerに対して、データのセンシングからクラウドへのコネクティビティまでをワンストップで提供する当社のIoT向けハードウェア/ソフトウェアソリューションを活用してもらうための支援を行う」と、その目的を語る。

 アライアンスパートナーシッププログラムへの参加呼びかけは、2015年2月に欧州で開催された「Embedded World」を皮切りに、台湾、韓国、中国でのプライベートカンファレンスにて行われた。。日本でも5月に「WISE-Cloud フォーカス・パートナー・カンファンレス」という形で実施され、日本企業約20社が参加した。「これまでアライアンスパートナーとして全世界で10社以上との契約が完了している。2015年中には80社との契約を目指している」(小池氏)という。

 WISE-Cloudのプラットフォームは、センサーやデバイスの管理を行うためのSUSIAccess™や、セキュリティ対策ソフトウェアであるMcAfee、クラウドサービス&インフラのMicrosoft 「Azure」、およびサードパーティークラウドとの統合、などによって構成される。特に、「オープンAPIパッケージ」と「スタンダードコネクティビティプロトコル」がプラットフォームを展開するためのキーワードとなる。

WISE-Cloudのプラットフォームの概念図 (クリックで拡大)

 WISE-Cloud戦略を推進するに当たって、アドバンテックは前述の通り、その立ち位置を明確にしている。アドバンテックが提供する領域は、デバイス管理とデータベースサービス、オープンAPIパッケージ、そしてソリューションの検証である。一方、パートナー企業がアプリケーションへの展開やオープンAPIの最適化などを行う。「パートナー企業と連携し、これらのサイクルをうまく回転させていくことでPaaSを実現し、ビジネス自体を拡大していくことができる」(小池氏)と述べた。

WISE-Cloudコラボレーションにおけるアドバンテックとパートナー企業の役割分担のイメージ図。水色で示す右側がアドバンテック、緑色で示す左側をパートナー企業がそれぞれ担当する (クリックで拡大)

 なお、アドバンテックはWISE-Cloudプラットフォームを評価/検証するためのデモボックスも用意している。アタッシュケースサイズのキットには、6個のセンサーモジュールが搭載されており、ゲートウェイを介してデータをクラウド側に転送することができる。WISE-Cloud Allianceへ参加した企業には、このデモボックスが無償で提供される。これを活用して具体的なアプリケーションを比較的容易に開発/検証することができるという。

WISE-Cloudのデモボックス (クリックで拡大)

 アドバンテックは、WISE-Cloud Allianceとは別に、特定産業向けにフォーカスした形でのプラットフォームを提供する「WebAccess+ Alliance」も展開する。インダストリ4.0を視野に入れた産業分野向けプラットフォームである「WebAccess/ SCADA」をはじめ、ビデオ映像による監視やサイネージコンテンツ管理/配信、ネットワーク監視などを行うことができる一連のアプリケーションを用意している。

 なお、6月15日(月)大阪、6月17日(水)東京にて、WebAccess+Allianceに関するカンファレンスを開催し、ビルディングオートメーションをはじめ、インダストリ4.0に対応するスマートファクトリーやスマート農業などのアプリケーションにフォーカスしたソリューションについて講演を行う。

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提供:アドバンテック株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2015年7月11日

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