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MicrochipのLEDドライバ、低コストからIoT化まで幅広く対応

» 2016年06月01日 10時00分 公開
[PR/EE Times]
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 これまで広く使われてきた白熱灯や蛍光灯と比較して、照明用のLEDには魅力的な特徴が多い。まずは消費電力だ。白熱灯と比較した場合はもちろん、高効率な蛍光灯よりも消費電力を低く抑えることができる。75%程度に削減が可能だ。

 LEDは全固体照明であり、劣化しにくい。多くのLED照明は寿命が4万時間以上と長く、「ランプ」を10年以上交換する必要がない。白熱灯や蛍光灯では得ることができない利点だ。

 照明用LEDの光には、青白く鋭く硬いというイメージがある。実際には光の質がかなり改善されており、昼白色や白色、電球色など、用途に応じて色温度(色味)を選ぶこともできるようになった。

 LED制御はマイコンを用いた制御にも向く。電流を通じてから最大の明るさに達するまでの時間が非常に短いからだ。ミリ秒単位の制御が可能であり、従来の照明が備えていた調光や調色の限界をたやすく超えることができる(図1)。

図1 さまざまな可能性を秘めるLED照明

LEDを一定の明るさで光らせるには

 白熱灯や蛍光灯は電圧の細かな変化にさほど影響を受けない。LEDは違う。安定した明るさや色調を維持するための工夫が必要だ。専用のLEDドライバが必要な理由である。

 LEDはどの程度、電圧の変動に影響を受けるのだろうか。定格値の付近で電圧を10%増やすと、LEDの特性にもよるものの、電流値が2〜3倍も増えてしまう。その結果、光の量が電圧に対して指数関数的に変化する。従来の定電圧方式や抵抗分圧器LEDバイアス方式を採用すると、明るさと色が大きく変動理由がこれだ。電圧ではなく、電流を一定に制御することで、安定した明るさと色調を維持する必要がある。

 LEDはダイオードであり、電流で駆動する。誤って最大順方向電流を超えてしまうと、ダイオードとして機能しなくなる。電流を一定に制御することは、LEDの寿命を延ばすことにもつながる。

 電流を一定に保つ手法の1つが、リニアLEDドライバだ。リニアLEDドライバでは電流を制御するために抵抗性回路素子を用いる。変動に応じて回路素子の抵抗を動的に調整して電流を一定に保つ。この方式では、コイルや高周波スイッチング素子を使わない。コストを抑えなければならない場合に役立つ。

 エネルギー利用効率を特に高める必要がある場合には、スイッチングLEDドライバが適する。電流ベースの帰還信号を使うスイッチング電源(SMPS)アーキテクチャを使うことで、コイルにエネルギーを蓄え、効率が高くなる。

スマート照明にも役立つLEDドライバ

 一定の明るさで光を放つLEDだけでは、全てのニーズに応えることはできない。滑らかに光の量を変える調光機能や、色温度調整機能は家庭内や店舗では必須の機能だといえるだろう。

 産業用や屋外用照明では、使用条件に基づく寿命予測機能やネットワーク通信を用いた監視、制御、すなわちデジタル制御ソリューションやIoTソリューションが求められている(図2)。

 このような制御を実現するには、マイコンを内蔵したコントローラが必要だ。マイコン内蔵品であれば、プログラムを修正することで、LED関連規格の動向に対して柔軟に追従することもできる。

図2 ネットワーク通信を用いたLED照明の監視・制御

非常に幅が広いLEDドライバアプリケーション

 LED照明は、幅広い用途に適する。住居照明はもちろん、携帯電話内蔵カメラ用のフラッシュや懐中電灯、車載照明(室内照明、灯火類)、ガーデン照明、LCDバックライト、産業用・屋外用照明、商用照明、看板照明、エレベータ照明などだ(図A-1)。

 Microchipはこれら全てに利用できるLEDドライバを製品化している。大きく分けて5種類のLEDドライバがある。車載LEDドライバとバックライト用LEDドライバ、汎用LEDドライバ、リニア電流レギュレータ、シーケンシャルリニアLEDドライバだ。

図A-1 用途が広がるLED照明

 一般LED照明では、どのような電源と接続するかに応じて、3種類のLEDドライバから選択する。まず、AC/DC LEDドライバとDC/DC LEDドライバに分かれる。DC/DC LEDドライバは電源電圧に応じて、昇型(またはリニア)電流制御方式と降圧型電流制御方式の2つに分かれる(図A-2)。

図A-2 電源の種類に応じてLEDドライバを選択する必要がある

Microchipの照明ソリューション

 LED照明を制御するなら、用途に応じてリニアLEDドライバやマイコンを内蔵したコントローラを使い分ける必要がある。Microchipはどちらのソリューションも提供できる。

CL8800

 Microchipの「CL8800」と「CL8801」は、シーケンシャルリニアLEDドライバ。蛍光灯や白熱電球、CFL(電球型蛍光灯)を低コストで置き換え可能だ。

 CL8800などを用いると、低電流LEDストリングを容易に駆動できる。特徴は外付け部品が少ないこと。最小限の回路素子(4または6個の抵抗とダイオードブリッジ)を追加するだけでドライバ回路を設計できる(図3)。

 さらに2〜4個の回路素子を追加することで、コンデンサもコイルも必要とせずに過渡保護機能を実装できる。

図3 外付け部品を抑えることが可能なCL8800

 これらのICは多段リニア電流レギュレータであるため、高周波スイッチング電流を生じない。従ってフロントエンドEMIフィルタは不要だ。CL8800は交流230V入力対応品、CL8801は交流120V対応品。115lm/W以上という高い発光効率を達成可能だ。

CL8800の利点

  • 最小限の回路素子数
     基本構成:CL8800+抵抗×6+ダイオードブリッジ)
  • コイルとコンデンサは不要
  • 最大7.5Wの出力(ヒートシンク使用時は13W)
  • ACラインから直接給電
  • 110lm/Wを超える発光効率(高効率LED使用時)

CL8800の製品情報


HV9805

 Microchipの「HV9805」は真のDC出力電流を提供するオフラインLEDドライバ。性能の向上とシステムコストの削減を図りながら、LED照明回路を簡素化できる。簡潔な2段回路構成によって高効率を提供するICだ。

HV9805の利点

  • 真のDC照明
  • 優れたLED活用性
  • 高い駆動効率
  • 低システムコスト

HV9805の製品情報


MCP19116/7

 「MCP19116」「MCP19117」はマイコン内蔵ローサイド電源コントローラ。インテリジェントで柔軟に設定可能な高精度LED照明が可能になる。

 LED出力レベルを正確に制御することで、色などの照明品質が劣化しない長寿命で信頼性の高い照明アプリケーションを設計できる。

 冒頭で紹介した通り、LED照明を採用する最大の理由は高効率と長寿命。しかし、照明品質に配慮することも重要だ。照明製品を設計するに当たって、色や明るさが適切であり、操作性が高いことが成功の鍵だ。

 MCP19116/7は、アナログコントローラの性能とデジタルインタフェースの柔軟性を併せ持つ。純粋なアナログソリューションやASICを使ったソリューションに比べて、柔軟性と拡張性が大幅に優れている。PIC MCUコアを内蔵したことでインテリジェントなPWMコントローラを実現できた。MCP19116/7を採用すると、最高水準の信頼性や効率、照明品質を達成しながら、同時にコストを削減できる(図4)。

 デジタルインタフェースを備えているため、通信と設定が可能であり、リモートアクセスが可能なIoT(Internet of Things)デバイスとしてサブシステムを設計できる。

図4 MCP19117用の評価ボード「ADM00663」

MCP19116/7の利点

  • 電流の変動を5%未満に制御(全温度レンジ、全てのライン/負荷/システム変動を含む)
  • 幅広い動作レンジで出力電流を動的に調整
  • 幅広い動作電圧レンジ:4.5〜42V
  • アナログ式ピーク電流モードPWM制御

MCP19116の製品情報


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提供:マイクロチップ・テクノロジー・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2016年6月30日

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