展示会「ET2017」で、組み込み機器の総合プラットフォーム「Renesas Synergy」をベースにしたIoTデバイス開発評価ユニット「ASURA Synergy」がデビューした。ASURA Synergyは、IoTで使用される幅広い通信/インタフェースに対応できるなどの高い拡張性を備える。Renesas Synergyベースなので基本的なソフトウェアは最終製品にそのまま搭載できる検証済みのものが提供されるため、さまざまなIoTデバイスの開発期間短縮に役立ちそうだ。
IoT(モノのインターネット)デバイスの設計開発をできるだけ早く終わらせたい。さもないとビジネス機会を失ってしまうからだ。11月15〜17日の3日間、パシフィコ横浜で開かれた「Embedded Technology 2017(ET2017)/IoT Technology 2017」では、組み込みシステムや、そのシステムにトランシーバを付けたIoTのシステムから部品まで一堂に顔をそろえた。各種各様のセンサー、マイクロコントローラ、カメラモジュール、機械学習やディープラーニングの支援ツールなど、半導体回りの製品やツールが展示された。
ルネサスエレクトロニクス(以下、ルネサス)は、単独のブースを今回出展しなかったものの、パートナー各社において、組み込み用の評価ボードなどをデモ展示した。本記事では、パートナーの1社であるコア社にて展示された、組み込み機器向け総合プラットフォームであるRenesas Synergy™をベースに開発したIoT評価キットである「ASURA Synergy」に焦点を当てる。
IoTデバイスは今や、工場の機械の予防保全や最適な製造条件の維持や修正、農業や橋梁・交通インフラなどのワイヤレスセンサーネットワークとして使われ始めている。それぞれの用途によって、検出すべきさまざまなセンサー信号やその組み合わせ、信号の意味する波形のデジタル処理などの演算や制御は、用途や企業ごとに異なるため、カスタム仕様にならざるを得ない。これを一から設計すればコストも開発期間も増えてしまう。これらの課題を解決するためのソリューションが市場では求められている。
Renesas Synergyはハードウェアだけでなく、基本的なソフトウェアまでルネサスがそのまま最終製品に使える品質のものを提供する。このため、ユーザーはアプリケーション開発に集中できる。ASURA Synergyは、コア社のASURA IoT(無線通信)評価ユニットシリーズの新製品で、メインボードと拡張ボードからなる。メインボードには各種センサーをはじめWi-Fi、Bluetoothを搭載しており、それだけでもIoT評価・開発に使用できるが、さらに拡張ボードを使用することでEthernetや3G/LTEにも対応できる。
今回のET/IoT Technology展で初めて公開されたASURA Synergyは、Renesas Synergyを使った開発のための新しいソリューションボードだ。このルネサスとコア社とのパートナーシップにより、Renesas Synergyのユーザーには強力な選択肢が加わったことになる。
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提供:ルネサス エレクトロニクス株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2017年12月31日
ルネサス エレクトロニクスは2017年11月27日、製造装置に、異常検知機能や予防保全機能など、AI(人工知能)を活用したインテリジェント機能を容易に付加できる「AIユニットソリューション」を開発し、販売を開始したと発表した。
ルネサス エレクトロニクスは2017年10月27日、子会社であるIntersil(インターシル)の社名を2018年1月1日付で「Renesas Electronics America」に変更すると発表した。