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HBMの「電力の壁」破るか 電力効率最大10倍の新メモリ:米新興が27年生産へ(1/2 ページ)

Kepler Computingは、広帯域メモリ(HBM)やSRAMの代替となる新型メモリについて、2027年の生産開始を目指している。独自の3次元(3D)積層技術と強誘電体メモリ技術を活用し、HBMと比べて電力当たりの帯域幅を5〜10倍に高められるという。GlobalFoundriesなどとの協業によって量産を進める方針だ。

» 2026年10月13日 11時00分 公開
[Alan Patterson,EE Times]

 米国カリフォルニア州サンノゼに拠点を置く、2018年創業のKepler Computing(以下、Kepler)は、AIチップにおける広帯域メモリ(HBM)やSRAMの「ボトルネック」を解消する新たなメモリの生産を、2027年までに開始する計画だ。同社経営陣が米国EE Timesの取材に明らかにした。Keplerの出資元であるIntel Capitalによると、Keplerは業界パートナーとの間で、大規模製造に入るための協業体制を整えているという。

Kepler Computingの共同創業者たち Kepler Computingの共同創業者たち[クリックで拡大]

 Keplerは、製造に向けてGlobalFoundriesと提携。独自の3次元(3D)積層技術と強誘電体メモリの生産規模を拡大するために、自社ファブも建設した。顧客の既存ファブに隣接して小規模な自社ファブを構築することで、最新の先端プロセス工場を新設する場合の10分の1の投資額で、数世代先の技術水準へと飛躍できると考えている。

 Keplerは、GlobalFoundriesなどのパートナー企業との協業により、最先端ノードを実現する上で極端紫外線(EUV)露光技術に依存せずにAIチップを製造できる見込みだとしている。

 同社のCEOであるDebo Olaosebikan氏は、EE Timesの取材の中で「当社は、Micron TechnologyやSK hynix、Samsung Electronicsと同じような企業に見えるだろう。顧客は当社のメモリモジュールを調達し、それを自社のチップに搭載する」と述べる。

 AIモデルは、既存のメモリアーキテクチャに負担をかけている。その影響は、DRAM/HBMの設計コストおよび製造コストの上昇や、エネルギー消費量/放熱量の増加、スケーリングの選択肢の減少などの形で表面化している。AIデータセンターによる電力需要の増大は、電力網にも負担をかけている。AIデータセンターで消費されるエネルギーの大半は、GPU/HBM間のデータ転送に費やされているという。

EUVに依存せず高密度化する「モノリシック積層」

 Olaosebikan氏は「Keplerは、熱問題を回避しながら、半導体チップ内部にデバイスをモノリシックに集積する技術を実現した」と述べる。

 「これによって、EUVに依存せずに済むのだ。従来の大きなトランジスタを使い、その数を減らした上で、トランジスタの上に別のデバイスを積層すればよい」(Olaosebikan氏)

 なお最下層のトランジスタは、EUVで製造したものでも構わないという。

 Olaosebikan氏は「ベースのプロセスノードが何であれ、トランジスタをさらに微細化する必要はない。トランジスタの上に新しいデバイスを集積することで、そのトランジスタをより有効に活用できる」と述べる。

 Keplerの最高技術責任者(CTO)を務めるSasi Manipatruni氏は、EE Timesに対して「メモリ密度を2〜3倍に高められ、CMOSとの互換性も確保している」と述べる。

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