キーサイト・テクノロジーは2026年10月、年次イベント「Keysight World 2026」に併せて記者説明会を開催。同社の代表取締役社長を務める寺澤紳司氏が、半導体の市況についての見解や、同社の注力分野などについて語った。
Keysight Technologiesの日本法人であるキーサイト・テクノロジー(以下、キーサイト)は2026年10月7日、同社のユーザー向け年次イベントである「Keysight World 2026」に合わせて記者説明会を開催。半導体市場の現在や、同社の事業戦略などについて説明した。
キーサイトの代表取締役社長を務める寺澤紳司氏は、現在の半導体産業について「市場の再形成が始まっている」と語った。その背景として「AIコンピューティングとメモリがけん引役となり、市場が急成長していること」「“性能の良い半導体”ができればそれで済むわけではなく、システムレベルのスケーリングが重要になっていること」「半導体の製造能力が今や国家の重要事項になっていること」を挙げる。
その他、さまざまなアプリケーションの電動化が進んでいることによる半導体の需要拡大や、量子コンピュータなどの技術開発の強化も、半導体市場の再形成を促していると述べた。
「全てに共通しているのは、技術が大きく変わっていることだ。しばらく前まで、半導体の進化の焦点は微細化にあった。現在は次のフェーズに移ってきている」(寺澤氏)
寺澤氏は、McKinsey & Companyが2026年9月に発表した半導体市場予測を取り上げた。McKinsey & Companyは2030年の半導体市場規模を、2025年に予測していた1.6兆米ドルから、2.3兆米ドルに修正した。44%の上方修正となる。半導体業界に長年従事している寺澤氏でも、これほどの上方修正は見たことがないという。「業界全体としても、これだけの成長は予想外ではないか。われわれキーサイトは、成長の中心、つまり、価値が生まれる領域をしっかり見ていく」(同氏)
このような上方修正をもたらしているのは、AI用などの先端チップと、広帯域メモリ(HBM)を含むメモリだ。同領域では、半導体の高性能化に伴い、設計やパッケージングが複雑化していて、これがキーサイトの顧客の課題だと寺澤氏は述べる。「これまで以上に“早く良いモノを出す”という風潮になっている。同時に、設計したものが意図した通りに動作するかも重要なので、検証サイクルをできるだけ早く、かつ少ない回数で回すことも重要になる」(同氏)
寺澤氏は「ハードとソフトおよび、専門家によるサービスを、設計からエミュレーション、試作、製造のテスト、最適化まで、全ての工程に向けて提供することで、上記のような顧客の課題に応えていく」と述べる。
オシロスコープ(オシロ)などキーサイトが伝統的に強みを持つハードに加え、重要性が増しているのがソフトだ。Keysight Technologiesは近年、ソフトを手掛ける企業をいくつも買収している。同社の売上高において、ソフトが占める割合は既に22%に達する。寺澤氏は「今やソフト事業は、なくてはならない大きな柱になっている」と述べる。
Keysight Technologiesの2025年度の売上高は54億米ドルだった。売上高比率が最も高い分野は通信で、46%を占める。ソフトウェアビジネスは、全売上高の22%を占める[クリックで拡大] 出所:Keysight TechnologiesCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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