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経産省、Rapidusへの4000億円追加出資計画を明かす:2nm量産に向け自己資本強化(1/2 ページ)

経済産業省は、Rapidusに対し2027〜2029年度の3年間で計4000億円を追加出資する計画を明らかにした。Rapidusは2027年度後半に予定する2nm世代半導体の量産開始に向け、民間金融機関から2兆円の融資調達を計画。政府は追加出資によって同社の自己資本を強化し、資金調達を後押しする。

» 2026年10月20日 07時20分 公開
[永山準,EE Times Japan]

 経済産業省は2026年10月19日、Rapidusに対し、2027〜2029年度の3年間で計4000億円を追加出資する計画を明らかにした。同日開催された財政制度等審議会の財政投融資分科会に提出した資料で示した。Rapidusは2027年度後半に予定する2nm世代半導体の量産開始に向け、民間金融機関から2兆円の融資調達を計画。政府は追加出資によって同社の自己資本を強化し、資金調達を後押しする。

Rapidusの2nm GAAトランジスタ試作品[クリックで拡大] Rapidusの2nm GAAトランジスタ試作品[クリックで拡大]

2027年度に1500億円、2029年度までに計4000億円

 経産省が示した資金計画によると、政府は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)を通じ、2027年度に1500億円、2028年度に1500億円、2029年度に1000億円を出資する計画だ。政府は2025年度に1000億円、2026年度に1500億円を出資していて、今回の計画が全て実施されれば、政府の累計出資額は6500億円になる。ただし、追加出資には各年度の財政投融資要求が認められる必要があり、現時点で実施が確定したものではない。

Rapidusの資金計画と産業投資の必要性[クリックで拡大] 出所:経済産業省 Rapidusの資金計画と産業投資の必要性[クリックで拡大] 出所:経済産業省

 Rapidusは、2nm世代半導体の量産に向けた生産ライン増強などの原資として、民間金融機関から計2兆円の融資を調達する計画だ。当面は2027年度に約4000億円の調達を目指す。経産省によると、2025年には民間金融機関から2兆円の融資に関する法的拘束力のない意向表明書が提出され、現在は融資実行に向けた調整や交渉を進めているという。政府による債務保証も活用する方針だ。

 政府が追加出資を計画する背景には、民間融資を受けるために一定の自己資本比率を維持する必要があることが挙げられる。経産省の資料によると、製造業全般の平均自己資本比率は50.4%、半導体関連製造企業は61.0%、TSMC、Intel、Samsung Electronicsの主要3社は平均65.5%となっている。半導体ファウンドリーは製造設備への巨額の先行投資を必要とするため、一般的な製造業よりも高い自己資本比率が求められる傾向にあるという。

 経産省は、Rapidusの事業が進捗し、投資リターンの見通しが相対的に高まっていることを踏まえ、追加出資を要求する考えを示した。Rapidusは今後、民間企業からも1兆円規模の出資確保を目指している。

研究開発委託費の承認額は累計2兆3540億円

 研究開発委託費としては、Rapidusは2026年4月に、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から2026年度分として総額約6315億円の支援上限額が承認されたことを発表していた。内訳は「日米連携に基づく2nm世代半導体の集積化技術と短TAT製造技術の研究開発」に約5141億円、「2nm世代半導体のチップレットパッケージ設計・製造技術開発」に約1174億円。これによって2022〜2026年度の研究開発委託費の承認額は累計約2兆3540億円となった。

 経産省が今回示した資料では、2027年度の研究開発委託費として約3000億円の予算要求についても記載されている。

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