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FinFET使わず7nm級の性能、GFの新世代FD-SOI技術:フィジカルAI向け「FDX Fusion」(1/2 ページ)

GlobalFoundriesが、フィジカルAI向けの新世代FD-SOI技術「FDX Fusion」を発表した。同社はAI半導体の次なる巨大市場が、データセンターGPUを巡る競争とは大きく異なるものになると確信しているようだ。

» 2026年10月20日 11時00分 公開
[Pat Brans,EE Times]

フィジカルAIに必要な機能を1チップに統合

 GlobalFoundries(以下、GF)は2026年10月9日(ドイツ時間)、ドイツ・ドレスデンにおいて、フィジカルAI向けの新世代FD-SOI技術「FDX Fusion」を発表した。同社はAI半導体の次なる巨大市場が、データセンターGPUを巡る競争とは大きく異なるものになると確信しているようだ。

 FDX Fusionが対象とするのは、単なる演算だけでなく、感知や判断、通信、行動が不可欠な機械だ。第1世代技術は、7nmプロセス相当のデジタル回路性能と、GFの第1世代FDX技術の2倍超の密度を実現する見込みだ。また、RFやアナログ、ミックスドシグナル、組み込み不揮発性メモリ(eNVM)、インメモリコンピューティング、高密度ロジック性能なども統合する予定だ。

 GFのシニアバイスプレジデント兼欧州工場担当ゼネラルマネジャーを務めるManfred Horstmann氏は「GFは今後数年間で、FDX Fusionの開発に約10億米ドルを投じる予定だ。そのうち約2億5000万米ドルは、初期の製造能力を確保する装置群に充てる。っ実証用シリコンは2027年初頭に、最初のPDK(Process Design Kit)については2027年中頃に、それぞれ提供する予定だ」と述べる。

GFのシニアバイスプレジデント兼欧州工場担当ゼネラルマネジャーを務めるManfred Horstmann氏 GFのシニアバイスプレジデント兼欧州工場担当ゼネラルマネジャーを務めるManfred Horstmann氏

 今回の発表は、GFが「欧州半導体法(European Chips Act)」に基づき支援を受けている、ドレスデンにおける工場拡張計画「SPRINプロジェクト」の施工完了に合わせて行われた。このプロジェクトは、GFが差別化された半導体技術向けに使用する予定の生産拠点において、クリーンルームや研究施設、生産能力を増強するものだ。

 Horstmann氏によれば、FDX Fusionアーキテクチャは、データセンターAI向けに必要な半導体チップと、インテリジェンスが自動車やロボット、ドローン、産業機器などのさまざまな自律型システムへと移行していく場合に必要な半導体チップとの間の、根本的な違いを反映しているという。

 同氏は、今回の発表前に行われた米国EE Timesの独占インタビューの中で、「データセンターAIは、膨大な電力を消費する。一方、フィジカルAIは全く異なる種類の課題を抱えている。必要なのは演算能力だけではない。センサー、アクチュエーター、通信機能、低消費電力、コスト効率も求められる」と述べている。

 これは、GFが提唱する「STAC[Sense, Think, Act, Communicate(感知・思考・行動・通信)]」の背景にある考え方だ。FDX Fusionは、主にデジタル計算密度の最大化を目指して最適化するのではなく、膨大な処理能力と、機械がその周囲環境と相互作用するために必要な機能とを組み合わせることを目的とする。

フィン構造なしで高い静電制御特性を実現

 FDXは、GFが展開するFD-SOI技術だ。トランジスタのチャネルは、埋め込み酸化膜上に形成された約70オングストローム(7nm)のシリコン薄膜内に存在する。この層は非常に薄いため、チャネルは構造上、完全空乏状態になる。Horstmann氏は「チャネルの空乏化にエネルギーを無駄に使わなくて済む」と述べる。

 このためFDXは、フィン構造を形成することなく、FinFETに類似した静電的な利点を得られる。Horstmann氏は「数多くの機能は、基板そのものによって実現される。そのため、完全空乏型トランジスタを実現するために、フィンを形成する必要がない」と述べている。

 GFは、Horstmann氏が「Fast and FAMES」と呼ぶ欧州プロジェクトを通して、CEA-LetiおよびSoitecと共同でひずみシリコン基板を開発している。これらのパートナーはフランスにおいて、この基板のためのパイロットラインを構築した。この基板には、厚さ70オングストロームのひずみシリコン薄膜が用いられていて、電子移動度を約25%向上させることを目指している。Horstmann氏によると、この共同開発は、GFの「22FDX」の開発に携わったコンソーシアムを基盤としている。

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