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CASE/MaaS時代の自動車をアーキテクトする ―― NXPの車載半導体事業戦略ソリューション、イノベーションそして安心・安全でリード

自動車はクラウドサービスとつながるエッジ・アプリケーションの1つとしてその在り方を変えようとしている。それに伴い自動車の内部構造/アーキテクチャは一新する必要に迫られつつある。そうした中で、車載向け半導体大手のNXP Semiconductorsは「将来の自動車をアーキテクトする」を掲げ、新たな技術開発、ソリューション提供を強化している。そこでNXP Semiconductorsの将来の自動車に向けた事業戦略を紹介する。

» 2021年12月17日 10時00分 公開
[PR/EE Times Japan]
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10年に1度のパラダイムシフトが起きつつある半導体市場

 半導体デバイス市場はパラダイムシフトが起こり、新しい成長期に突入した。そしてそのけん引役はスマートエッジ・アプリケーションだ。

 半導体市場は2000年頃に、それまでの約4年周期で好況と不況を繰り返す「シリコンサイクル」に別れを告げ、安定的に右肩上がりで市場規模を拡大してきた。その背景には、半導体を使用するアプリケーションの拡大が挙げられる。

 2000年代はそれまでのコンピュータに加え、携帯電話やゲーム機、デジタル家電などのアプリケーションが半導体市場の成長をリード。2008〜2009年はいわゆるリーマンショックに伴うリセッション(景気後退)を経験したものの、その後は、スマートフォンやデータセンター/サーバといった新たなアプリケーションが半導体市場をけん引。半導体市場規模は、2000年頃に比べて3倍以上になる約50兆円規模まで拡大した。

半導体市場の成長とけん引要素[クリックで拡大] 出所:NXP

 ただご存じの通り、新型コロナウイルス感染症の感染拡大などによって、2019〜2020年にリセッションが発生。2008〜2009年のリセッション後と同様、半導体市場は再びパラダイムシフトが起こり、新しいアプリケーションをけん引役にして新たな成長期に突入しつつある。

 そうした中でNXP Semiconductors本社副社長でNXPジャパン オートモーティブ営業統括本部 本部長を兼務する堤敏之氏は「これからの半導体市場の成長を支えるけん引役は、スマートエッジ・アプリケーションだ」と言い切る。

新たなけん引役「スマートエッジ・アプリケーション」

 「2010年代の半導体市場をリードしてきたクラウドサービスは、ある程度、確立された用途分野になった。今後もクラウドサービス分野は成長、進化を続けるだろうが、それ以上に成長を遂げようとしているのがクラウドサービスを取り巻くスマートエッジ・アプリケーション。われわれNXPは、あらゆるスマートエッジ・アプリケーションに向けた半導体製品/ソリューションの提供に注力していく」(堤氏)とする。

本社副社長 兼 NXPジャパン オートモーティブ営業統括本部 本部長の堤敏之氏

 クラウドとつながるスマートエッジ・デバイスは、『SENSE(検知)』『THINK(判断)』『CONNECT(コネクティビティ)』『ACT(作動・駆動)』という4つの要素があり、堤氏は「この4つの要素が、より人の身近な場所で高度な処理を行うために、進化していく」と見る。そして「われわれNXPは、SENSE、THINK、CONNECT、ACTのいずれにも半導体ソリューションを提供できる基盤があり、エッジデバイスの進化に貢献できると自負している」と語る。

 さらに堤氏は「4つの要素以上に重要なことがある。それは『安心・安全』だ。ただクラウドにつながる、便利になるだけでは不十分であり、われわれは安心・安全を実現できるという点を強みにして、スマートエッジ・アプリケーションに半導体ソリューションを提供していく」とする。

 家電や産業機器などクラウドとつながりスマート化が進んでいくあらゆるエッジ・アプリケーションに注力する方針を掲げるNXPでは、新たにクラウドにつながり大きな進化を遂げつつある自動車を、代表的なスマートエッジ・アプリケーションの1つと位置付け、自動車向け半導体製品/ソリューションの強化を積極的に行っている。

つながることで大きな進化を遂げる自動車に向けて

 自動車は今後、より本格的にクラウド、ネットワークに接続され、エッジ・アプリケーションとしてその姿を大きく変えていくことになる。単に走るだけではなく、MaaS(Mobility as a Service)という言葉に代表されるようにさまざまなサービスが付帯したモビリティ(移動手段)を提供するエッジ・アプリケーションになる。それに伴い自動車に関わる事業者はこれまでの自動車メーカーや自動車用部品メーカーだけでなく、インフラやさまざまなサービスを提供するベンダーなどにも広がり、より多様で規模の大きな市場が形成されていくようになる。

クルマの進化と変遷[クリックで拡大] 出所:NXP

 自動車が必要とするテクノロジーについても、より多様化していく。特にMaaS実現に向けて必要になってくるテクノロジートレンドが“CASE”と呼ばれる「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動化)」「Shared & Service(シェアリング&サービス)」「Electric(電動化)」の4つだ。NXPでは、MaaS時代の自動車の実現に向けて、このCASEというメガトレンドに対し全方位で製品/ソリューションの提供を実施していく。

 堤氏は「NXPは、60年以上前にゲルマニウム・トランジスタを初めてカーラジオ向けに出荷したモトローラ、そして同じく50年以上前から自動車向けに半導体を提供してきたフィリップスの流れをくむ車載半導体のリーダーであり、CASE、MaaSの実現に向けて全方位で半導体製品/ソリューションを提供できる素地が整っている数少ない半導体メーカーだ」と強調する。

 実際、車載用のアプリケーション・プロセッサ、RFデバイス、DSPで世界首位、アナログ、マイコンでも世界第2位のシェアを有する*1)。車載アプリケーション別半導体シェアについても、車載インフォテインメント、デジタルラジオ、セキュアカーアクセス、車載ネットワーキング、ADASおよびレーダーの各領域で首位*1)を走り、車載半導体全体で世界第2位のシェア*2)を占める。「NXPは、テクノロジー、アプリケーション双方で車載半導体市場のリーダーシップを有していると自負している。これからもリーダーとして車載市場の進化、拡大を引っ張っていく」(堤氏)と述べる。

 このように、より自動車市場への注力を積極化させるNXPが現在、掲げているテーマは「将来のクルマをアーキテクトする」だ。

*1)出所:Strategy Analytics, IHS Markit, NXP. Based on 2021 Auto TAM
*2)出所:Strategy Analytics. Based on 2020 Auto TAM

将来のクルマをアーキテクトする

 CASE、MaaSというメガトレンドに沿い、自動車は構造(アーキテクチャ)から大きく変わる必要性が生じている。特に処理の高度化、複雑性が増す電子/電気システムのアーキテクチャ(以下、E/Eアーキテクチャ)は、その刷新が必須だ。従来のE/Eアーキテクチャは、機能の追加に応じてECU(電子制御ユニット)が追加され、そのECUがCANなど車載ネットワークで接続されてきた。しかし、ECUの搭載数が50個や100個を超えるようになった昨今、ECUの追加が難しいほどにその構造は煩雑であり、自動運転や電動化で重要になるECU間の連携が取りづらいばかりか、単純にECUを追加することさえ難しくなっている。

 そこで新たなE/Eアーキテクチャとして提唱されているのが、機能ごとに領域(ドメイン)としてECUを分類、接続する「ドメインアーキテクチャ」だ。ECU間の接続はよりシンプルになり、ECU間連携が図りやすく、各ECUに分散せざるを得なかった一部機能を集約し各ECUの規模を小さくしたり、ECU数を減らしたりできる。

 ドメインアーキテクチャよりもさらにシンプルなE/Eアーキテクチャとして「ゾーナルアーキテクチャ」(ゾーンアーキテクチャ)も提唱されている。ECUが機能する物理的な位置ごとにECUをまとめつつ、中央に高い負荷の処理、制御を行うセントラルブレインを配置する中央集権型アーキテクチャだ。一般に、ドメインアーキテクチャよりも未来のアーキテクチャとして位置付けられる。

進化が予想されるクルマのE/Eアーキテクチャ[クリックで拡大] 出所:NXP
NXPジャパン マーケティング統括本部 統括本部長 園田慎介氏

 ただ、NXPジャパン マーケティング統括本部 統括本部長を務める園田慎介氏は「全てのクルマが、ドメインアーキテクチャに移行後、ゾーナルアーキテクチャへと順に移行するわけではない。一部機能はドメインアーキテクチャを飛び越え、ゾーナルアーキテクチャに移行するなどして、さまざまなアーキテクチャが混在する過渡期を経てゾーナルアーキテクチャへと移行するだろう。今後、しばらく続く過渡期においては、自動車メーカーごと、車種ごとに異なる最適なアーキテクチャを都度、見いだしていく必要がある。そこでNXPは、自動車メーカーやティア1メーカーとともに、将来のクルマをアーキテクトしていく」とする。

次世代アーキテクチャを試せる環境

 新たなクルマのアーキテクチャを構築していく上でNXPは、半導体メーカーとして半導体製品/ハードウェアの提供にとどまらず、アーキテクチャ構築に必要なさまざまなソリューションを提供する。半導体製品を動かすためのソフトウェア類、さまざまなハード/ソフトを組み合わせてECUレベルの機能を発揮するリファレンスデザイン。さらにはそうしたリファレンスデザインやECUを接続した際の制御システム構築時の各種サポートや、実際に自動車に搭載する際のサポートまでを提供する。

新たなアーキテクチャを試すことのできるNXPの評価プラットフォーム例[クリックで拡大] 出所:NXP

 「将来のECUを模したリファレンスデザインなどを評価プラットフォームとして、新たなE/Eアーキテクチャを実際に作って、評価できる。こうしたソリューションの提供を通じて、より最適なアーキテクチャの構築に貢献する」(園田氏)という。なお、NXPでは、ドメインアーキテクチャにおけるゲートウェイシステムやゾーナルアーキテクチャに置けるセントラルコンピューティングシステムの機能を実現する次世代ECU開発向けのリファレンスデザインを用意し、将来のアーキテクチャを試せる環境がすでに存在している。

次世代アーキテクチャに向けた数々の技術革新

 もちろん、ソリューションのベースになる半導体製品においても日々、技術革新(イノベーション)に取り組み、新たなE/Eアーキテクチャに向けた製品投入を順次行っている。

 例えば、各ECUの中心的デバイスであるMCU/MPUでは、次世代のE/Eアーキテクチャを見据えた製品群「S32ファミリ」が挙げられる。スケーラビリティに配慮したセキュアな車載コンピューティングプラットフォームというコンセプトで開発されたS32ファミリは、全ての製品でプロセッサコアにArm Cortexシリーズを採用するなど、各ドメイン、各ECUで必要な基本機能ブロック部分を共通化。各ドメイン、各ECUで固有の独自機能を実現する機能ブロックについては、低消費電力で高速処理が行えるハードウェアアクセラレーターとして実装。これにより、各ドメイン、各ECUに機能最適化を図りながらも、基本機能ブロックで動作するソフトウェアはドメインを問わず流用可能なスケーラビリティを持つ車載コンピューティングプラットフォームになっている。

セキュアな車載コンピューティングプラットフォーム「S32」の概要[クリックで拡大] 出所:NXP

 NXPの試算では、同一ドメイン内のS32 MCU/MPU同士であれば、ソフトウェアの最大90%をも共通化できるという。「車載ソフトウェアのコード数合計は約6億行ともいわれ、すでにジェット旅客機をも上回る規模に達し、自動車開発において大きな負荷になっている。S32ファミリはそうしたソフトウェア開発の課題も解決できるスケーラブルな車載コンピューティングプラットフォームだ」(園田氏)とする。

 クラウドと本格的に接続され、MaaSを実現する上で核になるサービスオリエンテッドゲートウェイECU向けのネットワークプロセッサも既に開発済みだ。LIN、CANといった従来の車載ネットワークだけでなく、ギガビットイーサネット、PCIe Gen3、さらには次世代の高速ネットワークに対応するネットワークアクセラレーターを備えながら、高性能な処理を高い信頼性で実現するロックステップ構成のプロセッサ、さらには高い安全性を担保するハードウェアセキュリティエンジン(HSE)を備える。

ネットワークプロセッサの概要[クリックで拡大] 出所:NXP

 NXPでは、このサービスオリエンテッドの時代に対応したネットワークプロセッサをベースに評価プロットフォーム「NXP GoldBox」をこのほど開発し、提供を開始。同時に、クラウドサービスベンダー大手のアマゾン ウェブ サービス(AWS)と連携し、NXP GoldBoxや次世代EV/HEV向け評価基盤の「NXP GreenBox」や、ADAS/自動運転向け評価基盤「NXP BlueBox」と、AWSのクラウドサービスを接続したインテリジェントコネクテッドカーのデモシステムを構築。いち早く、MaaS時代のE/Eアーキテクチャを体感、評価できる環境を用意している。

 園田氏は「ネットワークプロセッサやセントラルコンピューティングプロセッサを筆頭に、今後ますます高い性能が要求されるようになる。NXPとしては常に最先端の車載プロセッサを提供していく」と今後も新たなデバイス開発を積極的に展開する方針。2020年には、TSMCの次世代最先端プロセスである5nmプロセスを採用して車載プロセッサを製品化すると発表。「近く発表できる見通しであり、ぜひ楽しみにしてほしい」とする。

より重要度が増す「安心・安全」に向けて

 技術革新を盛り込んだハードウェアをベースに、次世代の自動車に向けたソリューションを幅広く提供するNXPだが「その前提として、安全・安心を実現することが欠かせない。クラウドサービスなど車外との通信が増えることで、安全・安心の重要性はより一層増す」(園田氏)と指摘する。

 NXPはこれまで、車載用信頼性試験「AECーQ100」への準拠などを通じて半導体デバイスの信頼性、堅ろう性を担保する取り組みや、機能安全規格「ISO26262」を取得するなどして、不測の事態が生じた場合でも安全を担保する機能安全を満たした製品/ソリューションを展開してきた。そしてクラウドサービスとの本格的な接続に伴い懸念されるサイバー攻撃などの脅威に対しても昨今、取り組みを強化。2021年9月には半導体メーカーとして初めて「ISO/SAE 21434」準拠サプライヤーとして認証された。ISO/SAE 21434は2021年1月に策定された自動車サイバーセキュリティ対策に関する国際標準規格。設計開発、製造など各工程において、一定のサイバーセキュリティ対策を施した企業が認証を受けられる規格であり、今回の認証取得でNXP製半導体製品/ソリューションは、サイバーセキュリティ対策を施したプロセスを経て開発、製造されていることが認められた格好だ。

NXPの安心・安全への取り組みイメージ。2021年9月に半導体メーカーとしていち早くISO/SAE 21434認証を取得した[クリックで拡大] 出所:NXP

 園田氏は「2022年7月からは、EUおよび日本で車メーカーはOTA機能を有する一部新型車両において、ISO/SAE 21434の認証取得が必須になる法制化が進められており、2024年7月にはその対象が全ての新型車両に拡大される見込み。車メーカー、ティア1メーカーなど自動車業界全体でサイバーセキュリティ対策を行っていかなければならない現状において、いち早く半導体メーカーとしてISO/SAE 21434認証を取得し、自信を持って製品、ソリューションを提供できるようになった」と胸を張る。

 堤氏は「CASE、そしてMaaSというメガトレンドに沿い自動車は、新しい付加価値を多く備えた『安全で安心なモビリティ』へと日々、進化していく。NXPは、安全/安心をベースに技術革新性の高い製品を開発し、自動車メーカーやティア1メーカーなどさまざまな自動車に関するベンダーと協調しながら、CASE/MaaS時代の自動車アーキテクチャの構築をサポートしていく」と語っている。

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提供:NXPジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2022年1月16日

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