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HDDは「相当攻めている」 WD高野氏が語る100TB時代の技術戦略WD ジャパン カントリーオフィサー 高野公史氏(1/2 ページ)

AIの普及でデータのトラフィックが急速に増加する中、ストレージとしてHDDの存在感が増している。Western Digital(WD)ジャパンカントリーオフィサーの高野公史氏に、強みやWDの戦略を聞いた。

» 2026年06月01日 15時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

データセンター向けでHDDに根強い需要

 生成AIの普及でデータセンター投資が急拡大する中、ストレージとしてあらためて存在感が増しているのがHDDだ。PC市場ではSSDへの置き換えが進んで久しいが、データセンターでは依然としてHDDが主流であり、その重要性はむしろ高まっている。HDD用大手のWestern Digital(WD)では現在、売上高の約9割をデータセンター向けが占める。こうした背景の下、HDDは今後も容量や性能で進化が続くと述べるのは、WDジャパンカントリーオフィサーの高野公史氏だ。同氏に、WDの強みや戦略を聞いた。

WDジャパンカントリーオフィサーの高野公史氏 WDジャパンカントリーオフィサー 高野公史氏

国内でもHDD出荷量は増加へ

――データセンター用ストレージは相変わらずHDDが主流です。HDD市場についてどう見ていますか。

高野公史氏 データセンターでは、データの約8割がHDDに保存されている。残りは、SSD(NANDフラッシュメモリ)は1割、磁気テープが1割という割合だ。当面、この比率は変わらないのではないか。HDDは書き込み性能が高く、コスト優位性も高い。HDD市場についてはさまざまな予測があるが、今後も持続的に成長していくだろう。HDDに限らず、メモリ/ストレージメーカーの勢いが続くのではないか。AI需要がけん引する今回の成長の波は驚異的だ。

左=データの8割がHDDに保存されている/右=WDの2026会計年度第3四半期(2026年1月〜3月期)の応用別売上高比率。データセンター/クラウド向けが9割を占める[クリックで拡大] 出所:WD

――日本では、米国のようなハイパースケールデータセンターの建設はなかなか難しいですが、国内向けビジネスはいかがでしょうか。

高野氏 地政学リスクを考慮しなくてはならない時代になっていることから、日本でもデータセンターへの投資が進むだろう。日本国内向けのHDD出荷量は確実に伸びていくとみている。

2029年までに100TBの大容量HDDを市場投入

――HDDの高性能化と大容量化のロードマップについてお聞かせください。

高野氏 高性能化については、2026年2月に発表した広帯域ドライブ技術やデュアルピボット技術が貢献する。

 広帯域ドライブ技術は、複数ヘッドが複数トラックから同時に読み書きを行うもので、従来比で2倍の帯域幅を実現できる。現在は、帯域幅を最大8倍まで向上させる道筋ができている。

 デュアルピボット技術は、独立して動作する2つ目のアクチュエーターを別の回転軸に追加するものだ。プラッタ(磁気ディスク)間のスペースを従来よりも狭められるので、より多くのプラッタを搭載して大容量化できる。さらに、アクチュエーターを分けているので、チャンネル数を増やして、読み出し性能を大幅に上げられる。3.5インチドライブ内において最大2倍のシーケンシャルIOを実現できるようになる。

 容量については、2026年末に40TB(テラバイト)のHDD(製品名は「40TB UltraSMR ePMR HDD」)を、2027年末には44TBのHDDを出荷する計画だ。40TB HDDには従来のエネルギーアシスト垂直磁気記録(ePMR)方式を採用し、44TB HDDにはHAMRを採用する。HAMR HDDの容量は2029年までに100TBに拡張する計画だ。

――プラットフォーム事業の拡張も発表しました。

高野氏 JBOD(Just a Bunch of Disks)と、オープンAPIを通じたソフトウェアレイヤーの開発を含めてプラットフォームを構築し、2027年内に提供を開始する予定だ。HDD/SSDを使いやすくするためのソフトを提供することが目的で、特に、中小規模のネオクラウド事業者(AI特化型クラウドを提供する事業者)にとって有益なプラットフォームになるのではないか。ネオクラウド事業者が、われわれにとっても有望な市場になっている。

左=HAMRを採用した大容量HDDのロードマップ/右=プラットフォームの概要[クリックで拡大] 出所:WD
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