TSMCは、顧客向け技術イベントで最新のテクノロジーロードマップについて説明した。2028年に第2世代GAAナノシート技術「A14」、2029年に「A13」「A12」の量産を予定するほか、「CoWoS」「SoIC」などのパッケージング技術の開発も加速する。
TSMCは2026年7月3日、顧客向け技術イベント「TSMC 2026 Japan Technology Symposium」を開催。半導体業界の展望や、TSMCの最新テクノロジーロードマップについて説明した。
日本における事業についてはTSMC Japan 社長の小野寺誠氏に個別インタビューを実施し、別途記事を掲載予定だ。
TSMC シニアバイスプレジデント兼Deputy Co-COO(副共同最高執行責任者)のKevin Zhang氏は、現在の半導体業界について「最もエキサイティングな黄金期だ」と表現した。AI技術は生成AIやエージェントAI、さらには現実世界で動作するフィジカルAIなど急速に進展し、市場を押し上げている。
TSMCは、世界半導体市場は2026年にも1兆米ドルを超えると予測する。さらに、2030年には1兆5000億米ドルに達する見込みで、そのうちAI/高性能コンピューティング(HPC)関連が55%になると見ている。
AIの用途はこれまで学習が中心だったが現在は推論へも広がってきていて、Zhang氏は「AIが生成するトークンが生産性を高めて新たな価値を創出し、それが新たなAI投資につながる好循環が生まれている」と述べる。これに伴って、演算用のロジック半導体だけでなく、広帯域かつ低遅延のメモリ半導体や、複数のチップを高密度に接続するパッケージング技術の重要性も高まってきている。
さらに、AIはデータセンターだけでなく、身近なデバイスにも広がってきている。スマートフォンはサイズに制約がある中で性能と電力効率を両立しなければならないので、最先端プロセスが早期に採用される分野だ。自動車は、自動運転技術なども進展し、「これまでは機械的なデバイスと捉えられていたが、電子的なデバイスと見なされるようになってきた」(Zhang氏)。Zhang氏は「将来の自動車はSDV(Software Defined Vehicle)だと言われているが、私はハードウェア側の人間なので『Silicon Defined Vehicle』と呼びたい」と笑いを誘った。TSMCは、自動運転用のSoC(System on Chip)の演算性能が、現在の最大数百TOPSから将来は数千TOPSへ拡大すると予測している。さらに、ヒューマノイドロボットやスマートグラスといった新しい用途にも最先端半導体が投入されていくことになる。
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