市場調査会社のIHS Markitは、2016年の世界半導体市場についての調査結果と、同年における半導体メーカー別売上高ランキングを発表した。同社の報告によると、世界半導体市場は前年比2%増の成長を遂げ、3524億米ドルとなった。
市場調査会社であるIHS Markitは、2016年の世界半導体市場についての調査結果と、同年における半導体メーカー別売上高ランキングを発表した。同社の報告によると、世界半導体市場は前年を2%上回り、3524億米ドルに成長した。
世界半導体市場規模が成長した要因の1つは、DRAMとNAND型フラッシュメモリの成長だ。その理由としては、平均販売価格(ASP)の増加に加え、供給制限と大幅な需要増が挙げられる。IHS Markitの予測によると、DRAMとNANDフラッシュの市場規模は2017年を通じて記録的な領域に達する見込みだ。
車載アプリケーション向け半導体も、市場規模の拡大を促した要因の1つだ。車載アプリケーション向け半導体は、2016年の間に前年から9.7%拡大。中でも、マイクロコンポーネントとメモリICの成長率は10%以上と群を抜いている。
16年 順位 |
15年 順位 |
社名 | 2016年 売上高 |
前年比 増減 |
2016年 シェア |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | Intel | 54,981 | 6.9% | 15.6% |
2 | 2 | Samsung Electronics | 40,323 | 4.2% | 11.4% |
3 | 4 | Qualcomm | 15,405 | ▼6.6% | 4.4% |
4 | 5 | Broadcom Limited | 14,979 | ▼2.1% | 4.2% |
5 | 3 | SK Hynix | 14,699 | ▼10.9% | 4.2% |
6 | 6 | Micron Technology | 12,963 | ▼7.9% | 3.7% |
7 | 7 | Texas Instruments | 12,686 | 3.5% | 3.6% |
8 | 9 | 東芝 | 10,258 | 16.1% | 2.9% |
9 | 8 | NXP | 9,306 | ▼3.3% | 2.6% |
10 | 13 | MediaTek | 8,733 | 31.2% | 2.5% |
トップ10 | 194,333 | 2.3% | 55.1% | ||
その他 | 158,116 | 1.5% | 44.9% | ||
全体 | 352,449 | 2.0% | 100% | ||
IHS Markitの資料を基に編集部で作成 |
売上高ランキングの首位はIntel、2位はSamsung Electronics、3位はQualcomm。だが、トップ20の中で売り上げ成長率が最も高かったのはON SemiconductorとNVIDIA、次いでMediaTekだという。NVIDIAがGPUの大幅な需要増に基づき売り上げを向上したのに対して、ON SemiconductorとMediaTekはそれを複数の合併によって成し遂げた。MediaTekに至っては、約30%成長しトップ10入りを果たした。
Qualcommはファブレス企業としては、2番手のMediaTekと3番手のNVIDIAを突き放しトップを維持。今後NXPを買収することで、2017年の市場シェア拡大を目指している。IHS Markitによると、半導体業界における企業合併の傾向は収まる予兆がなく、2017年も続く見通しだ。
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