台湾の市場調査会社TrendForceによると、従来型DRAMの契約価格は2026年第3四半期(7〜9月)に前四半期比13〜18%、NAND型フラッシュメモリの契約価格は同10〜15%それぞれ上昇する見込みだという。
台湾の市場調査会社TrendForceによると、従来型DRAMの契約価格は2026年第3四半期(7〜9月)に前四半期比13〜18%、NAND型フラッシュメモリの契約価格は同10〜15%それぞれ上昇する見込みだという。
TrendForceによると、DRAM市場は2026年第3四半期も供給逼迫が続く見込みだ。ただ、コンシューマー用途の需要が弱まることに加え、前四半期までの大幅な価格上昇の反動などから、契約価格の上昇幅は58〜63%だった前四半期から大幅に縮小するとみている。
NANDフラッシュについても、AI推論や大規模データセンターの導入拡大が需要をけん引する一方、契約価格が過去最高水準に達したことで、PCやスマートフォンなどコンシューマー市場の顧客は価格受容の限界に近づいているという。このため契約価格上昇率は前四半期の55〜60%から10〜15%程度に鈍化すると予測している。
製品別に詳しく見ると、PC向けDRAMは、PCメーカーが在庫補充を継続することで調達需要を支える見込みである一方、高コスト部材が製品価格に反映されることでノートPCの販売価格は上昇。年間出荷台数に下押し圧力がかかるとみられる。TrendForceは「メモリサプライヤーは、PCメーカーやモジュールメーカーと合意済みの2026年までの供給数量を維持するものの、生産能力をサーバ用途へ振り向けているため、PC向けDRAMの供給量は減少している」と説明している。
サーバ向けDRAMに関しては、x86 CPUとRDIMM構成を採用する汎用サーバが、マルチタスク性能を背景にエージェンティックAIワークロード向けの主要なメモリプラットフォームとなっていると指摘。CPU供給の改善を受けてサーバ出荷は2027年まで堅調に推移し、2026年後半もRDIMM需要や在庫積み増しが続く見込みとしている。TrendForceは、2026年第3四半期も供給不足は続くものの、一部調達が長期供給契約(LTA)に基づいて行われることから、価格上昇率は前四半期より緩やかになると予測している。
スマホ向けDRAMは、スマホメーカー各社が高止まりするLPDRAMコストを相殺するため端末価格を引き上げる見込みだが、TrendForceは、この価格上昇は販売に悪影響を及ぼす可能性が高いと指摘。消費者需要の鈍化を受けて、生産計画や部材調達は慎重になる傾向が強まり、LPDRAM需要がさらに減少する可能性があるとしている。一方でメモリサプライヤーは引き続きAI関連用途を優先して生産能力を配分しているため、LPDRAMの供給は逼迫した状態が続き、契約価格はさらに上昇すると予測している。
グラフィックスDRAMでは、NVIDIAの「RTX PRO 6000 Blackwell」が期待されたほどGDDR7需要を押し上げておらず、ノートPC出荷の減少もGDDR6およびGDDR7の需要を弱めているという。ただ、メモリサプライヤーが他の主力製品へ生産能力を柔軟に振り向けていることから供給制約は続いていて、GDDR6/GDDR7の価格はDRAM全体の価格上昇に合わせて上昇するとみている。
TrendForceによれば、テレビやセットトップボックスおよびその他従来の家電製品に用いられる民生向けDRAMの需要は低調な状態が続いている一方、車載機器やサーバSSD、ネットワーク機器向けなどのニッチ市場は比較的堅調に推移しているという。主要サプライヤーの民生向けDRAM市場からの撤退が加速したことを受け、受注先の移行が続いていて、需要の大幅な減少はみられないとしている。
また、大手メモリメーカーによる計画的な減産や、台湾メーカーによるDDR4増産だけでは供給減少を補えないことから、TrendForceは、契約価格は引き続き上昇すると予測している。
クライアントSSDでは、PCメーカー各社が2026年上半期に積極的に在庫を積み増した一方、現在は法人向けノートPCが需要を支えているという。TrendForceは「在庫水準の上昇によって価格引き上げへの抵抗感が強まり、サプライヤーは出荷を維持するため柔軟な価格設定戦略を迫られている。この結果、価格交渉が長期化し、契約価格の上昇幅は抑制されると予想される」と説明している。
エンタープライズSSDでは、CPU供給不足がシステム出荷を制約している一方、サプライヤーの生産拡大に合わせて顧客は在庫を積み増しているという。TrendForceは「NANDメーカーはNVIDIAの『Vera Rubin』プラットフォームの立ち上がりや民生需要の減速を背景に、生産能力をエンタープライズSSDへ振り向けている。ただし、内製DRAMの不足によって小容量/高性能製品の供給が制約され、価格は引き続き上昇傾向にある」と述べている。
ほとんどのスマホメーカーの多くは、2026年上半期に新製品向けの生産や部材調達をほぼ完了していて、下半期はフラグシップモデル向けUFS 4.0の需要は続くものの、中価格帯やエントリーモデル向けの調達は低調になる見込みという。
TrendForceは、こうした需要全体の減速によって、これまで供給が逼迫していたeMMCおよびUFS製品の供給は改善しつつあると説明。メーカー各社のコスト増を吸収する意欲の低下および最終需要の鈍化を受け、サプライヤーの価格決定力は弱まり、契約価格の上昇幅は縮小すると予測している。
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