Vicorのコーポレートバイスプレジデント兼プロダクトマーケティング&テクニカルリソースを務めるRobert Gendron氏は、2019年5月17日にVicorの日本支社であるVicor KKで開催した記者説明会で、同社の成長戦略と最新技術について語った。
Vicorは、米国マサチューセッツ州アンドーバーに本拠地を構える電源コンポーネントの専業メーカーだ。高効率、高電力密度を実現する独自のアーキテクチャとパッケージング技術を生かし、データセンターや機械学習などのコンピュータ、自動車、産業機器、鉄道、通信といった分野に製品を提供している。Vicorのコーポレートバイスプレジデント兼プロダクトマーケティング&テクニカルリソースを務めるRobert Gendron氏は、2019年5月17日にVicorの日本支社であるVicor KKで開催した記者説明会で、同社の成長戦略と最新技術について語った。
Gendron氏は、今後のVicorの成長を支える戦略として以下と挙げた。
Gendron氏は、「AIプロセッサの採用が進むデータセンターでは、プロセッサに給電する電流(ピーク電流)が増加の一途をたどっており、1000Aを超える状態が当たり前になっている。今後は1200A、1400Aが要求されるケースも増えてくるだろう」と述べる。そこでVicorは、プロセッサに給電する電源コンポーネントを、プロセッサと同じサブ基板上に実装できる技術「Power-on-Package」を開発し、それを適用した製品を提供してきた。
このPower-on-Packageから、さらに高効率化を実現する技術が、VPDだ。プロセッサを実装した基板の裏面に電源コンポーネントを実装する技術である。つまり、従来のように水平方向ではなく、垂直方向にプロセッサに給電することになる。「これによって、配電損失はPower-on-Packageに比べて7分の1になる。弊社の製品では最も高い効率を実現できる」(Gendron氏)
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