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NXPやInfineonがテキサスの停電で生産を停止米国の大寒波(2/2 ページ)

» 2021年02月26日 14時30分 公開
[Alan PattersonEE Times]
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影響は大きい

 VLSIresearchのアナリストであるAndrea Lati氏はEE Timesに対し、半導体メーカー3社がオースティンに保有する工場の生産能力を合わせると、300mmウエハー換算でおよそ月産11万5000枚に達すると説明した。米国全体での同生産能力はおよそ月産120万枚のはずなので、オースティンだけで全米の生産能力の9〜10%を占めることになるとLati氏は述べた。

 世界的な半導体不足は、既に自動車からスマートフォンまであらゆる生産を鈍化させている。オースティンでの生産が停止したことで、状況はさらに悪化するだろう。2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが自動車需要に影響をもたらしたことから、自動車メーカーは同年第3四半期に半導体の発注を減らした。同年第4四半期には発注が戻り始めたが、40nmや50nmといった旧世代のプロセスノードの半導体に不足が生じた。

 IC InsightsのバイスプレジデントであるBrian Matas氏は「結論から言うと、これは大きな混乱だ」と述べた。Samsungは、米国の生産拠点がオースティンのみであることから、恐らく多大な影響を受けることになるだろう。100億米ドルかけてテキサス州に新たな工場を建設する計画を再考しなければならない可能性もある。

 Matas氏は「この突然の寒波の中でテキサス州の電力システムに起きたことは、Samsungにとって大きな問題になるだろう。なぜなら、同社はオースティンを100億米ドルを投じて建設する新たな製造施設の候補地と見なしているからだ。同社、ならびに製造施設の潜在的な事業者は、Electric Reliability Council of Texas(ERCOT、テキサス州の電力網を管理/制御する電力会社から成る組織)について厳しい質問を州のトップに投げて、議論する必要がある。地元の電力網が機能しなくなった場合にバックアップ電源がないことと、近隣の州から信頼できる電力を調達できないことが交渉を決裂させる要因となるのは明らかだ」と述べた。

 ERCOTはテキサス州の電力網を通る電流を管理し、同州の電力負荷の9割を占める2500万世帯以上の顧客に電力を供給している。

 2月16日(米国時間)には、電力不足によって、1MW(メガワット)/hr当たりの電気代が9000米ドルを超えた。その前の週には、最も低い料金で30米ドル以下だった。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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