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HDD大手Seagateの四半期業績、売上高が5四半期連続で前年同期を上回る福田昭のストレージ通信(214)(1/2 ページ)

米Seagate Technologyの2022年1〜3月の四半期業績を紹介する。

» 2022年05月06日 10時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

前四半期(前期)比の売上高は10.%減と伸びが止まる

 ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以下、Seagate)と米Western Digital(以下、WD)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2022年4月27日、WDが同年4月28日である。そこで今回と次回は、SeagateとWDの四半期業績を続けて報告する。

 Seagateの会計期間は7月から始まり、6月を決算月とする。4月27日に同社が発表したのは2022年1〜3月の四半期業績で、会計年度では「2022会計年度第3四半期」になる。

 2022会計年度第3四半期(2022年1〜3月期)の売上高は前四半期(前期)比10.1%減、前年同期比2.6%増の28億200万米ドルである。前年同期比は5四半期連続で増加した。

2022会計年度第3四半期(2022年1〜3月期)の業績概要。出所:Seagate Technology(クリックで拡大)

 概況としては、大容量ストレージ製品(マスキャパシティ製品)の需要が堅い。記憶容量が18TB(テラバイト:10の12乗バイト)のHDD製品がニアライン向けの成長を牽引している。VIA(video and image applications)向けはCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行によるロックダウンが短期的な需要を弱めているものの、長期的な成長軌道は変わらないとする。

 既存のストレージ製品(レガシー製品)は、ほぼ同じペースで連続して需要が減りつつある。特にPC向けは前年同期と比べると減少のペースが速い。PCベンダーによる在庫調整が継続していることが、需要減の理由だとする。

 2022会計年度第3四半期(2022年1〜3月期)の営業利益(Non-GAAPベース)は前四半期(前期)比24.0%減、前年同期比12.4%増の4億7200万米ドルである。営業利益が前年同期を上回るのは、4四半期連続となった。粗利益率(Non-GAAPベース)は29.2%で、前の四半期から1.5ポイント減少した。売上高営業利益率(Non-GAAPベース)は16.8%で、前の四半期から3.1ポイント低下した。利益率は前の四半期から減少したものの、まだ健全と呼べる水準にある。

Seagate Technologyの四半期業績の推移(売上高と営業利益[GAAPベース])。同社の公表資料から筆者がまとめたもの(クリックで拡大)。なお、営業利益はGAAPベースなので本文の数値(Non-GAAPベース)とは異なる

HDD製品とSSD製品の両方で前期比の売り上げが減少

 Seagateは製品別の売上高を、「HDD製品」と「その他(SSD製品やシステム・ソリューションなど)の製品」に分けて公表してきた。売り上げのほとんどを占めるのは、「HDD製品」である。「HDD製品」の売り上げは前四半期(前期)比9.1%減、前年同期比2.9%増の25億6500万米ドルになった。「その他(システム・ソリューションやSSD製品など)の製品」の売り上げは、前四半期(前期)比19.4%減、前年同期比0.4%減の2億3700米ドルである。

四半期業績と製品別売上高の推移(2021会計年度第3四半期〜2022会計年度第3四半期)。出典:Seagate Technology
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