業績低迷に苦しむIntelをめぐり、過去最大規模のM&Aのうわさが浮上している。一部の報道によれば、QualcommがIntelに友好的な買収提案を行ったという。だが実際に契約が結ばれたとしても、規制当局が阻止する可能性は高い。さらに、アナリストの中には、投資会社からの資金投入など「Intelは生き残るすべを確保できている」と見る向きもある。
米国EE Timesが接触したアナリストたちによると、Intelは、会社全体を買収される道を選ぶよりも、AlteraやMobileyeのような事業部門を売却する方が良いという位置付けにあるようだ。
米Wall Street Journalと英Financial Timesが報じたところによると、Qualcommは2024年9月に、Intelに対して買収の可能性を提示したという。アナリストは、「Intel Foundryは、今後もTSMCやSamsung Electronicsなどの大手ライバルと競争していくことは難しいため、Intelを100%買収することは良い投資だとは言えないだろう」と述べている。
Bernstein ResearchのシニアアナリストであるStacy Rasgon氏は、EE Timesに提供した2024年9月23日付のレポートで、「Intel Foundryを経営したいとは誰も思わないし、現時点では政治的に、Intel Foundryの“廃業”を実行できる可能性は低いといえる。Qualcommは、製造能力を獲得したいというだけなのであれば、もちろんそれを所有するという頭痛の種を抱えることなく自由に利用できるだろう」と述べている。
Intel Foundryの2024年第2四半期における営業損失は28億米ドルで、対前期比で増加している。同社の予測によると、同年第3四半期も同等の営業損失となる見込みだという。
Intelは、買収協議の報道についてはコメントを避けている。同社は2024年9月初めに、「Intel Foundryを独立した部門としてスピンオフすることを目指していく」と述べている。
米国の投資会社であるWedbush Securitiesでシニアバイスプレジデントを務めるMatthew Bryson氏は、EE Timesの取材に対し、「Intelの事業は全てx86に結び付いているということを踏まえると、同社がAlteraやMobileyeのような非中核事業を売却する以外に、より大きい事業部門の一つをどのようにスピンオフできるのかは分からない」と述べる。
Intelは2015年にAlteraを買収したが、2023年10月にAlteraを独立したFPGA設計部門にすると発表した。2017年3月には、ADAS(先進運転支援システム)用チップ設計メーカーMobileyeの買収を発表したが、2022年10月には発行済み株式の約6%を売却している。
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